「ある晩、飲んだ後にタクシーで帰ろうとしたんですが、財布の中に小銭しかなかったんです。コンビニに入って、何枚かのカードでキャッシングしようとしたんですが、なんと、すべてが限度額オーバーで利用不可。仕方なく家まで歩いて帰りましたよ。その途中、このままでは『マズいことになる』とようやく気がついて、借金をすべて返そうと一大決心したんです」
そう話すのは放送作家でもあり、企業PRコンサルティング業も手がける野呂エイシロウさん。さっそく借入金を整理してみると、総額1,000万円にも膨らんでいた。返済にはまず支出を減らすことが必死。そこで始めたのが、著書『毎日○×チェックするだけ! なぜかお金が貯まる手帳術』でも紹介されている、野呂さん独自の手帳術だ。
1カ月の試行錯誤を経てこれを完成させると、見事に支出が半減。結果、短期間で借金を完済した。しかも現在は貯金が増え続けている。そんなミラクルを起こした手帳術を紹介してもらった。
【ステップ1・その日使う分のお金を毎朝銀行のATMでおろす】
一日のうち、お金をおろすのはこの1回だけ。通帳への記帳も忘れずに行う。毎日ATMに通うのが難しい人は、朝いちばんに財布に入っている金額を手帳にメモしておくだけでもいい。大事なのは“1円単位で記録する”ということ。
【ステップ2・その日のすべての買い物でレシートをもらう】
その日のすべての買い物でレシートをもらうようにする。自販機などレシートが出ないもの、友人と会計を割り勘にしたときの金額などは、できるかぎり間を置かず手帳にメモしておく。クレジットカードでの買い物も同様。たとえ決算日が半月先でも、その日に使ったものとしてレシートを残そう。
【ステップ3・帰宅後が手帳術の本番】
まず、集めたレシートの金額を合算する。次にATMで朝おろした額(朝メモした額)から、その額を引いてみる。これが財布の中の残額と合えば第一関門突破。残額のほうが少ないと『使途不明の支出』があるということになる。次にA4サイズの紙(ノートでも可)を用意し、日付を入れる。その紙に全レシートを貼り付けていくのだが、それぞれにペンで直接『○か×』を書き込もう。このときに重要なのが○と×の評価基準だ。使ってハッピーだったお金は○、無駄だったと思ったお金は×となる。
【ステップ4・総合判定】
最後に、この○と×の合計金額を手帳に記録し、総合判定。いわば無駄遣いの“反省ノート”を作り上げる。ちなみに野呂さんは翌朝にATMに行くと、前日の残額分を口座に戻している。一見面倒なようだが『1日単位の清算』が通帳に記録されるので、便利だという。