「将来への漠然とした不安から節約を始めたり、テレビで見た節約法が自分にもできそうな気がしてやり始め、途中でくじけてしまった経験はありませんか?節約に失敗してしまった原因は、何のために節約をしたいのかハッキリした目的がないままに始めてしまうことにあります」
そう語るのは、27年間、主婦として家庭でアドラー心理学を実践してきた岩井美弥子さん(57)。オーストリアの精神科医、アルフレッド・アドラーが創始したアドラー心理学では、問題の原因を過去に求めるのではなく、自分自身の目的の結果だと考える。節約できないのは、あなたが本当は節約をしたくないからなのだ。
アドラー心理学のカウンセラーとして事業を展開する夫の岩井俊憲さんの手ほどきを受け、家計の切り盛りにその考え方を生かしてきた美弥子さん。その結果、なんとボーナスなしの毎月の家計のやりくりだけで、15年で1千万円もの貯金に成功!成功のポイントはお金だけでなく、モノ、時間と3つのジャンルで節約を進めたことだという。
「じつはこの3つは、すべてつながっているんです。たとえばモノがあふれていると、何があるか把握できないから無駄買いにつながる。モノが増えると、それに煩わされる時間が増えてストレスがたまり、今度はストレス解消のための買い物に走ってしまいます。だからこのうちどれか1つだけ頑張ってみても、行き詰まってしまうことが多いんです。逆にこの3つがうまくいけば、節約がグンと進むようになります」
そこで美弥子さんが、お金、モノ、時間の節約を成功させるための6つのステップを教えてくれた。
【1】節約の目的を決める
何のために節約をするのか、あらためて「目的」を考える。「一戸建ての家を建てる」「ハワイ旅行」など、具体的な目標を持つことで節約のモチベーションが上がり、前向きに継続できる
【2】現実を直視する
節約を成功させるためには、お金・モノ・時間、それぞれについて現実を徹底的に洗い出し、改善すべき点を知ること。お金なら年間と1カ月ごとの支出を出す、モノなら持ち物をすべて出してみる、時間なら1日の平均的な時間の使い方を書き出す、など。
【3】具体的な目標を立てる
直視した現実をもとに、節約の「目標」を立てる。お金なら1年間で100万円貯金する、モノならモノを減らす場所を決め、いつまでにどれくらい減らすか決める、時間なら1日30分は勉強する時間を確保する、など。
【4】目標を達成するために必要なプランを立てる
なるべく具体的なプランを立てる。無理のないプランにするのがコツ。お金なら月間の貯金額を決めてお菓子などのし好品の購入費を減らす、モノなら今と将来を考えたうえで捨てるものを選別する、時間ならスマホを見る時間を夜は15分だけにする、など。
【5】プランを遂行する決意をする
憂鬱な気持ちで始めるのではなく、やり遂げる「決意」をして気持ちを切り替える。心で思うだけでなく、周囲に決意表明をしたり、紙に書いて見えるところに貼ったりすると効果的。
【6】節約からの達成感と満足感を味わう
必ずしも完璧にやり遂げる必要はない。10か0かで考えるのではなく、たとえ達成感が3割であっても、できたことに達成感を得ることで節約を続けるモチベーションをキープできる。
お金、モノ、時間の3つを一緒に節約すれば、あなたもきっと成功できるはず!