深紅のじゅうたんのようなサルビアの花畑(写真はイメージです)
「今年のツアー旅行のキーワードは『インスタ映え』や『SNS映え』。思わず写真を撮りたくなるスポットを組み込んだツアーがマストです」
こう話すのは、旅行ジャーナリストの村田和子さん。これまでの日帰りツアーは、「+ショッピング」が定番セットだったが、最近は、SNSで話題のフォトジェニックなスポットを多数組み込んだものが主流。年齢を問わず“インスタ映え”のツアーから売れていくという。
また、ランチも昔のような食べ放題は減り、格安ツアーであっても思わず写真に撮りたくなる美麗な料理が出てくることが多くなったそう。
「絶景や美しいランチに加え、フルーツ狩りや本格的なウオーキングをするツアー、紅葉を見ながら写真撮影法を学ぶツアーなど、プラスアルファの選択肢の幅も広がりました。これだけ充実した内容でも、1日1万円以下のツアーが豊富にそろっています」(村田さん)
東京発の“1万円以下日帰りツアー”のなかで、村田さんが「関東の2大花畑を1日で楽しめる」と推薦するのが、はとバスツアー「房総vs三浦 花の半島対決! コスモス畑・サルビアの大斜面と伊勢海老しゃぶしゃぶ」。さっそく記者も参加してみた。
午前9時30分、バスに乗り京橋駅を出発。レインボーブリッジを渡り、バスは神奈川県方面へ。11時前には、神奈川県・三浦半島の「くりはま花の国」に到着。ここでバスを降り、各自で自由散策。お目当ては、10月下旬まで開催される「コスモスまつり」! 記者が訪れた9月中旬に見ごろを迎えていたのは、黄色いコスモス。花畑は、さながら黄金の海! ざわざわと風に揺れるコスモスに太陽の光が反射して、きれい!
風にゆれる満開のコスモス畑のなかに立つと、なんだかドラマの主人公になった気分。あのドラマでもこんなシーンがあったよね〜、と、その気になって何枚も写真を撮ってもらう記者であった。ちなみにコスモス畑の3分の2以上を占める赤、白、桃色のコスモスは、10月上旬から下旬が見ごろだそう。
コスモスの次は、サルビアの花畑へ。三浦半島の久里浜と房総半島の金谷を結ぶ「東京湾フェリー」で東京湾を横断し、千葉県の「マザー牧場」を訪れる。「このフェリーを楽しみに、ツアーに参加された方も多いのではないでしょうか。天気がよい日には、船のデッキから富士山が見られます」と、ガイドさん。フェリーにバスごと乗り込んだあとは、約40分の航行中、船内で自由に過ごせる。
船を降りると、そこは千葉県。待望のランチは「漁師料理かなや」で、伊勢海老のしゃぶしゃぶと海鮮ちらし! とにかく伊勢海老が、大きい! そしてだしがすごい!! 磯の香りも濃いうま味の誘惑に抗えず、鍋に残っただし汁まで残さず飲み干してしまった。豪華ランチに超満足し、再び乗り込んだバスは一路マザー牧場を目指し、富士山や東京湾を見渡す鹿野山へ。
午後3時、鹿野山頂付近に広がるマザー牧場に到着。入場後、牧場スタッフの案内を聞いたら、その後は自由行動。真っ先に向かったサルビアの花畑は、とにかく広い! そして赤い! 深紅のじゅうたんのような花畑と、抜けるように青い空とのコントラストに思わず感動。そして写真も撮りまくる。これは“SNS映え”しまくりだ。
バスに戻り、さっそくさっきのサルビア写真をインスタグラムにアップするうち、最後のスポットの「酒菜館」に到着。和蔵酒造が運営するこちらでは、酒蔵の見学、試飲もできる。試飲用は常時十数種用意されており、この日は17種ものお酒がズラリ。納得いくまで試飲して、お気に入りの1本をお買い上げ。
お酒のせいか、18時30分に東京駅丸の内口に到着するまで、爆睡。起きたときには、インスタグラムに100件以上の「いいね!」がついていた。花畑パワー、偉大なり!! 2つの半島の2大花畑を1日で楽しめる欲張りツアー、お得感抜群の旅だった。