乳がん「ステージ4の生存率高い」全国がんセンターTOP3
「乳がんは再発スピードが遅いので、本来は10年後生存率で評価すべき。しかし、5年生存率で見ても、『千葉県がんセンター』の山本尚人先生の“ステージ4(より症状が進んだがん)で50%”は見事です」
と語るのは、聖マリアンナ医科大学助教授をへて、現在は神経内科医および作家として活躍する米山公啓先生だ。今年10月、全国のがん診療の中核をなす31病院で作る『全国がん(成人病)センター協議会(全がん協)』が加盟する病院ごとの5年生存率を発表し話題を呼んでいる。
「日本の医療は地域格差がなく公平というのが大前提。数字が出ると、同じがんでも病院によってかなり生存率に差があることがわかってしまう。また、それをランキング化すると、上位の病院に患者が殺到。収集がつかなくなると考えて、これまで病院ごとの生存率を発表してこなかったのだと思います」(米山先生)
今回のデータは調査方法その他に病院間でバラツキがあり、ランキングにできるものではないと名言している。だが、米山先生はこう続ける。
「たしかにがんの生存率を公平に見るのは難しい。しかし、ステージ4でどれだけ成果をあげているかを見れば、医師のレベルを見るいちばんわかりやすい尺度になるでしょう。また外科というのは、とにかく経験がものを言います。今回は、3年間で計300例以上の手術数の病院を対象としました」
肺がんにおいてステージ4の生存率が高いがんセンターを調べてみたところ、TOP3は下記の通りとなった。
1.千葉県がんセンター(症例数515、ステージ4の生存率50.1%)
2.がん研有明病院(症例数2434、ステージ4の生存率46.4%)
3.名古屋医療センター(症例数318、ステージ4の生存率42.4%)
「500症例を超えてステージ4の5年生存率が5割を超えている千葉県がんセンターと、症例数2434件と圧倒的に多く成績がよいがん研有明病院は最高評価といえるでしょう」(米山先生)