「新生活から1カ月が過ぎようとするこの時期は、慣れない環境に対する疲れがたまって、体調を崩しやすいものです。なかでも多いのが便秘。便秘にもさまざまな種類があるのですが、この時期は『直腸性便秘』が心配です」

 

と、語るのは、「診察5年待ち」といわれる順天堂大学教授の小林弘幸先生。便は直腸に届くと粘膜を刺激して排便反射を起こさせるのだが、トイレに行くタイミングがつかめず、ついつい我慢を繰り返すと粘膜がマヒしてしまい、排便反射力が低下し便秘におちいってしまうという。

 

「何日も排便できずにいると、便の水分が腸に吸収されて便は硬くなり、ますます『出しづらい』状態に。そこを無理にいきむと、痔を発症することに……。最近では女性の痔が増えていますが、これには直腸性便秘が大きく関係しています」(小林先生・以下同)

 

さらに、40~50代の女性は要注意だという。腸内の善玉菌は、副交感神経が活発に働いていると増殖するが、女性は40歳を境に副交感神経の機能がガクンと衰える。すると腸内環境は悪化し、腸の収縮は低下。便を押しだす力が弱くなってしまうという。

 

「便秘解消のためには腸内環境を整え、失われた反射を取り戻しましょう」。そこで、小林先生がオススメするのが「豆腐の和風ステーキ」だ。

 

【トマトとオクラの和風ソース豆腐ステーキ】

1:豆腐1丁を横半分に切ってから、厚みも半分に。キッチンペーパーで約15分水気をとる。2:豆腐に塩コショウを少々振り、小麦粉をまんべんなくつける。サラダ油を垂らしたフライパンで、豆腐の裏表を中火でそれぞれ3~4分焼く。3:トマト1個を2センチ角に切り、オクラ5本を小口切りして中火で1分炒める。それに、醤油・砂糖・生姜の千切りを加えて1分火を通す。そのソースを豆腐ステーキにかけて出来上がり。

 

「豆腐のレシチンが副交感神経の働きをサポート。ソースに含まれるオクラの水溶性食物繊維は、便に水分を与えてやわらかくしてくれ、腸内の老廃棄物の排出をスムーズにしてくれます。トマトのリコピンは抗酸化力が高いので、血管をしなやかにし、血流をサラサラにする作用も。また、生活習慣としては、朝は余裕をもって起きること。朝食を必ずとることで、失われた胃・結腸反射を取り戻しましょう」

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