「昨年のW杯で大活躍したラグビー日本代表。そんな日本代表選手たちが、世界一過酷な練習で、好成績を収めたことは知られています。しかし、私は、もう1つの立役者がいると思っています。それは“腸活”です。私は、自律神経の研究者として、多くのスポーツ選手のコンディションを指導しています。そのなかの1人が、日本代表のトライゲッター、山田章仁選手です」
こう語るのは、順天堂大学医学部教授で自律神経研究の第一人者・小林弘幸先生。小林先生は、山田選手が学生時代からコンディションについてアドバイスをしている。W杯開催中も、何度かメールでやり取りをしていた。とくに大事な試合前に山田選手が気にかけていたのは、食生活について。
「なぜ、山田選手のようにトップ選手が“腸活”に力を注ぐのか−−。それは、試合で最高のパフォーマンスを発揮するためなのです。ところで『体幹』を鍛えるとよく耳にします。しかし外科医である私は『体幹トレーニング』に疑問を持っています。『体幹』の部分は、背骨と内臓、筋肉など、さまざまな要素で成り立っています。どうやって鍛えればいいのか……。そこで私なりに『体幹トレーニング』は『腸内環境を整え、血流をよくすること』だと考えています」
“腸活”することで、指先や足先の毛細血管までキレイな血が行き届き、自律神経も整う。これにより緊張するような大舞台でも、最高のパフォーマンスを発揮できるのだと小林先生は言う。また。疲労した肉体を早く回復する効果も。そして、“腸活”に欠かせないものが発酵食品だ。
「山田選手にも、大事な試合前には、ヨーグルトや納豆などの発酵食品を取るようにアドバイスしました。余談ですが、あの五郎丸歩選手は『納豆のマヨネーズかけご飯』が大好物だそうです。あの正確無比のキックは“腸活”の賜物かもしれません。トップアスリートにとって根性や精神論は、過去の話。今や“腸活”で、健康体をつくり、最高のパフォーマンスを発揮しているのです」
私たちの生活にも“腸活”を積極的に取り入れていきたいものだ。