『猿の惑星』の猿がリアルすぎる
公開するや大ヒットを記録している映画『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』。早くも続編の噂が囁かれるなど、再び“猿”ブームが巻き起こっている。元となった‘68年版『猿の惑星』では最先端の特殊メークが話題となっていたが、本作はどう見てもホンモノの類人猿にしか見えない。ご覧になった方は分かると思うが、あまりにリアルすぎる……。
そんなCG映像を作り出したのは、エモーション・キャプチャーという新技術。
①顔の前のカメラで眼球の動きや目線、役者の感情までを分析しデータ化
②おおもととなる動く絵コンテを作成
③毛を重ね合わせ、動きを中心とした動作データをCG合成
④表情や目線の位置データなど全てを合わせることで、あの“インテリ”チンパンジーが完成するのだ!
主役のチンパンジー「シーザー」に扮したアンディ・サーキスは、こう自負する。「エモーション・キャプチャーは、リアルな映像だけじゃなく、内面を見せる手助けもしてくれる。僕は今回、無垢な赤ん坊
から自由を求めた戦いの主導者へと変貌するまでのシーザーを演じた。彼は多くのことに迷い、葛藤を抱えている。類人猿の動きを真似するだけじゃ、感情は伝
わらない。最先端の技術を演技ツールとして生かしきることが、僕らの役目なんだ」
アンディは、この分野で世界最高の技術を持つWETAデジタルと強力な提携関係を築いている。エモーション・キャプチャーの伝道師との異名を取る彼であっても、本作の撮影スタイルには驚かされたという。「以前はセットで撮影をした後、エモーション・キャプチャーの現場へ移動して、演技を再現しなければならなかった。けど、今回はすべてのエモーション・キャプチャーを一度に行うことが出来たんだ。最高だったよ」
特殊メークに何時間も費やすなんて過去の話!? 今後はエモーション・キャプチャーが主流となるに違いない――。
●アンディ・サーキス
47歳。ロンドン出身。『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのゴラムや、『キングコング』のコングなど、人間以外の役では右に出るものがいないスペシャリスト
『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』
10月7日(金)よりTOHOシネマズ 日劇他全国で公開中!
配給:20世紀フォックス映画
© 2011 Twentieth Century Fox Film Corporation
『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』
オフィシャルサイト:http://www.foxmovies.jp/saruwaku/#/trailer/spot60_2
取材・文/田嶋真理