澤田哲生「2012年夏は20%の節電が必要になる」

「もし今、稼働中のすべての原発が停止することになった場合、来年の夏は今夏以上の節電を迫られることは間違いないでしょう。現在、定期検査で停止中の原発のうち4基がストレステスト(耐性調査)の審査結果を待っている状況ですが、いまだに1基も結果が発表されていないんです」

 

そう語るのは、東京工業大学・原子炉工学研究所の澤田哲生教授(54)。福島第一原発事故直後、原子力の専門家としてテレビ各局に出演し、最近では『週刊新潮』の座談会「御用学者と呼ばれて」にも登場した。

 

“ストレステスト”とは、安全基準を越えた自然災害や重大事故にどれだけ耐えられるかを評価するもの。今年7月、当時の菅内閣が突然、実施を発表した試験だった。澤田教授はこう不安視する。

 

「実は現在稼働中の原発も、来夏までにすべて定期点検に入ります。このストレステストの審査がはかどらないと、すべての原発が停止する可能性が出てくるのです」

 

澤田教授によると、原発の代替エネルギーとなるのは、火力発電以外ないという。しかし、その火力発電もすでにフル稼働中とのこと。また総力から考えても、全国的に今夏よりも来夏のほうが、電力不足が深刻な事態になるとも話している。

 

「今夏、東京は15%の節電でした。現段階では正確な数字は算出できませんが、もし、すべての原発が停止したら来夏は全国で20%以上の節電要請が出るかもしれません。今の電力事情を考えた場合、これは起こりうることなのです」

 

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