花粉症 インフルエンザを防ぐ「副交感神経」コントロール法 全編
「女性は40歳を境に副交感神経の働きがガクッと下がります。すると体の抵抗力が弱まり、風邪やインフルエンザ、癌の発症に繋がります」と警鐘を鳴らすのは、順天堂大学医学部の”自律神経のスペシャリスト”小林弘幸教授。副交感神経とは、呼吸や内臓の機能を司る自律神経の一種。逆にこの副交感神経の働きが過剰な人は、花粉症などのアレルギーを引き起こしやすくなるという。
何もしなければ副交感神経の機能は10年で15%ずつ低下していくとのこと。では、衰えがちな副交感神経をバランスよく働かせる方法とは? 本誌は小林教授に「副交感神経コントロール法(前編)」を特別指南してもらった。キーワードは「ゆっくり」にあるという。
[呼吸はゆっくり、1対2]ゆっくり呼吸することで副交感神経は高められます。深呼吸で心が落ち着くというのはまさにこれ。血管が広がり血流が増し、筋肉も弛緩するので、実際に体がリラックスします。5秒かけて鼻から吸い、10秒かけて口から吐く”1対2”の呼吸が基本です。
[あせったときほど、ゆっくり話し、ゆっくり動く]呼吸と同じく、人は興奮すると早口になるもの。冷静に話せば呼吸も穏やかになり、交感神経の暴走を抑え副交感神経も高まります。会話に限らず、普段の行動もゆっくり確実に。例えば車の運転。焦ると血流が悪くなり事故の危険性も高まります。
[朝食に命をかけろ!]1日3食、規則正しく食べることは、栄養面だけでなく自律神経を整える上でも有効です。特に副交感神経の活性化に重要なのが朝ご飯。朝は副交感神経の働きがにぶいので、ここで胃腸に食べ物を入れるのは副交感神経を活性化させるチャンス。バナナ1本、ジュース1杯でもOK。ただしゆっくり食べる「余裕」が大切です。「朝食に命をかけろ!」と私(小林教授)は常日ごろ言っています。