専門家が検証「10年後に安心できる」自分年金の作り方2
「公的年金の支給内容は今後もっと悪くなるので、自分の生活は自分で守る覚悟が必要です。現在55歳以下の人たちは、年金支給が始まるのが70歳以降になると考えましょう。また、年金支給額も5〜6万円減額される可能性があるので、夫婦で月額7万円の『自分年金』作りを目指しましょう」
そう解説するのは経営コンサルタントの岩崎日出俊さん。目標の7万円はあくまでも平均的な年金支給額、月23万円を例にしたケース。年金を期待できない人や自営業者は、さらに上乗せが必要となってくる。『自分年金』に有効な”貯蓄型保険”も、お金がなければ加入できない。そこで大事なってくるのが、家計の『ムダを省く』ことだと岩崎さんはいう。
「保険や通信費など、毎月自動的に引き落とされる固定費から見直す必要があります。とくにムダ削減効果大なのは医療保険です。私は解約していいと思います。日本には健康保険制度があり、もし1カ月の医療費が100万円かかったとしても、高額療養費制度で実質的自己負担は8万円程度ですみます。医療保険の保険料は老後の資金に回してほしい」
さらに岩崎さんは、同じ薬で半分程度の価格ですむジェネリック薬を利用することで、医療費は節約できるとも話している。
また、『自分年金』のために金(ゴールド)の購入をすすめるのは、税理士の清水洋さんだ。清水さんは、今後訪れる円安トレンドに備えるためにも金に価値があると語る。
「これからの時代、価値が出てくるのは金です。貨幣でなく現物資産なので今のような経済不安に強く世界中の市場で売買できる。ここ数年で金の価格は約4倍になっていますが、本格的に上がるのはこれからです。金地金(三菱マテリアル)の購入は、5g2万4千990円(3月30日現在)からですが、月々3千円から購入できる『純金積立』もあります」
自分の老後は自分で守っていくしかない。将来、ゆとりある生活を送るために、今から『自分年金』作りを始めよう。