実家は天国!全国300万人パラサイト・アラフォー女子の本音
先日、内閣府の発表で全国の35~44歳の6人に1人、約300万人が未婚のまま親と同居している”パラサイト・シングル”であることが明らかになった。”何の気兼ねもなく親の生活に寄生している”とも言われるが……。本誌はさまざまな事情を抱えるアラフォーのパラサイト・シングル=パラフォー女性たちの本音を探ってみた。
「会社への利便性のいい立地に実家があるから、わざわざ一人暮らしをする必要性が私にはわからないです。実家で親と暮らして何が悪いんでしょうか?」と首をかしげるのは、都内の実家で65歳になる母親と2人暮らしの町田裕子さん(仮名・38歳・IT系OL)。3歳年下の妹もいるが、旅行で気に入った沖縄に5年前から住んでいるのだとか。
「3年前に父親を亡くして母も寂しい思いをしているのに、妹はちっとも帰ってこない。妹がそうやって破天荒なぶん、私は母を置いて家を出るなんて考えられません。家のローンは父の生命保険で支払われ、生活には困っていません。母には毎月8万円を渡しています。一番の楽しみは妹の置き土産、フクちゃんという柴犬の散歩です。結婚?妹がすれば私はいいや(笑)」(町田さん)
60代の両親と89歳の祖父との4人で都内一軒家に住む小林恵子さん(仮名・40歳・OL)は、若いころ約2年間マンションで一人暮らしをしたことがあった。しかし手取り20万円が毎月あっという間になくなってしまうため、結局、実家に戻ったという。
「実家にいると月3万円を入れるだけで何不自由ない生活ができるんですよね。家事はほとんど母がやってくれるので、ある意味、実家は天国。ただ、毎晩聞かされる母親の愚痴がなければーー。近所付き合いについて、父の素行について、最後は祖父の介護について、同じような愚痴を夜ごとタラタラと聞かされます。これさえなければ本当にパラダイスなんだけど」(小林さん)
鹿児島県在住の松本早苗さん(仮名・44・パート)は、10年付き合った恋人に失恋し、看護婦の仕事も辞めて実家に戻ったそうだ。病気がちになった母や体調を崩し病院通いを続ける父の看病をしながら、パート勤めに出ているという。
「看護婦をしていた私の付き添いが心強いらしく、両親とも私が家に居ることに感謝してくれるようになりました。最近は叔父や叔母の病院への付き添いなども頼まれ、親戚からも喜ばれています。私自身、こんな人間がいてもいいんじゃないかなと。この人生は結婚して新しい家族を持つよりも、いまある家族に尽くしていこうと思うようになりました」(松本さん)