今まで野菜や果物は水で洗うのが常識だった。だが、話題の「50度洗い」は水ではなく”50度のお湯”で洗うことで、その鮮度と旨みがアップするという驚きのものだった。しかし、適正温度があるのは何も食材だけとは限らない。暮らしの中にはいろいろな温度が溢れており、そこにもまた適正温度はあるという。
「HSPは人間が本来ストレスから身を守るために持っているタンパク質で、高温などのストレスを受けると体内で増加し、体をストレスから守ってくれるのです」
そう語るのは慶應大学薬学部の水島徹教授。HSPとは、今注目を集めているタンパク質・ヒートショックプロテインのこと。そこで水島教授はマウスを42度のお湯へ5分間つける実験を行うことに。
「その結果、HSPは皮膚においても紫外線ダメージを防ぎ、傷ついた細胞やDNAを修復させていたのです。マウスと人は皮膚やHSPの構造がほぼ同じ。人も42度のお風呂に5分間つかるとシミやシワが修復できます」(水島教授)
また、入浴の際のシャンプーにも適正温度が。シャンプーで大切なのはお湯の温度。通常、顔などの脂分は36.5度の人肌で溶け出すが、頭皮の皮脂腺は多く、顔のTゾーンの3倍。それだけ脂分が多いため、低い温度では落ちにくい。しかし、高すぎる温度は頭皮を傷めてしまう。そこで脂分も十分に落ちて頭皮も傷めない適温が38度だという。美髪アドバイザーの田村マナさんは次のように話す。
「今、30〜40代の女性たちは薄毛、抜け毛、白髪など髪のダメージが多いですね。しかし、髪は頭皮が健康でなければ白髪にもなります。大切なのはシャンプーです」
上手に利用することで驚きの効果が得られる適正温度。温度を極めることが若返りの秘訣になる日も近い!?