最近では“レジ横”に置かれるほど人気となった、白髪隠しの“応急”アイテム。便利だが、実は肌&髪に悪いモノも。使いやすくて安全な白髪隠しはどれ!?
「最近はマスカラタイプやファンデーションタイプなど、アイテムの幅が増えたので、白髪の量や場所によって使い分けるといいでしょう。ただし、タイプによって地肌に付着する量が異なるため、含まれるべき成分、入っていてはよくない成分も異なります」
そう語るのは、肌や髪に関する製品のスペシャリストで公平な立場で製品にモノ申す、国際毛髪皮膚科学研究所の井上哲夫所長。
たとえば、生え際に便利なマスカラタイプは肌にほとんど付着しないので、保湿成分などが入っている高価なものは不要。逆に地肌に付着するファンデーションタイプでは、刺激の強い成分を避けたほうがいい。そこで、井上さん監修の入っていてはいけない「NG成分」を、アイテム別にまとめたので、参考にしてほしい。
また、どんな白髪にどの白髪隠しがベストなのか、選び方&使い方のコツをヘアメークアップアーティストの山田ナオミさんに聞いた。
■白髪量が少ない生え際には「マスカラタイプ」
【選び方のポイント】肌に付かないので、地肌にいい成分は不要。NG成分は浸透成分の「ベンジルアルコール」と「黄4」「紫401」など“色+数字”で記載される「タール系」。
「生え際や白髪の少ない人向き。ダマになりやすいので少量ずつ重ね塗りしましょう」(山田さん)
■長めのチラホラ白髪には「スティックタイプ」
【選び方のポイント】マスカラタイプよりは地肌につくので、頭皮保護成分(糖分配合の保湿成分)入りを。NG成分は「ベンジルアルコール」「タール系」に加え、浸透性の高い色素成分「塩基性茶16」など“塩基~”と記載されている「塩基系」。
「長い白髪が数本ある人や、根元から塗りたい人に。こめかみや生え際には塗りにくいですが、広範囲に塗るのは簡単なので、初心者にもおススメです」(山田さん)
■薄毛&分け目の白髪には「ファンデーションタイプ」
【選び方のポイント】地肌に付くので、肌にいい植物性成分配合のものを。NG成分は前出の「ベンジルアルコール」「タール系」「塩基系」に加えて塩基より分子の小さい浸透成分「HC青2」など“HC~”と記載された「HC系」成分。
「頭頂部や分け目に白髪が多い人や、薄毛が気になる人におススメです。パフで軽くたたくように塗っていきます。やりすぎると不自然になるので注意しましょう」(山田さん)
色素成分に「酸化鉄」「酸化チタン」などと表記される安心成分の顔料がベター。
■広範囲の応急処置オンリー「スプレータイプ」
【選び方のポイント】肌への付着は避けられない。NG成分は前出の「ベンジルアルコール」「タール系」「塩基系」「HC系」すべて。
「スプレー状にするために必要な液化石油ガスは肌にはよくないので、使用は最小限にとどめるべき」(井上さん)
スプレータイプは、いざというときの応急処置とし、使用時にはケープなどを着けて服への付着を防ごう。
「場所別に合うタイプを使い分けると仕上がりがより自然です。使う順番はマスカラ→スティック→ファンデーション→スプレー。ブローなどのセットがすべて終わってから使用しましょう」(山田さん)
白髪隠しは“持ち”がいい。開封後、3年程度使えるため、数タイプそろえてもムダにならない。賢く使い分け、短時間でキレイになろう!