乳幼児期に起こるイメージが強いアレルギーだが、大人になってから発症するケースも多く、患者数は年々増加。今や2人に1人はなんらかのアレルギーを持っているとも。食物によるアレルギーに関しては、最近増加の傾向にあるという。
日常に潜むリスクは、食物に限ったことではない。大人になってから発症するアレルギーには、日用品の使用によって起こるものも。
「多様な素材で作られた製品が増え、アレルギーの原因となる物質が皮膚から入り込むことでアレルギーを発症する方は増えています」
そう話すのは、東京医科歯科大学教授の横関博雄先生。横関先生によれば、次のような日用品によるトラブルの事例が増えているそう。
「『接触性皮膚炎』は、アレルギーの一種です。症例が多いのは、化粧品、ニッケルなどの金属によるアレルギー。いずれも一度発症してしまうと、基本的には二度と使うことができません」(横関先生・以下同)
横関先生によれば、原因を知って予防することで、発症を防ぐこともできるという。原因について、注意点を聞いた。
「ニッケル、コバルト、クロムなど、メッキで使う金属で発症する例が多いですね。汗で金属が溶けて、イオン化して皮膚に入り込むことが原因です。この症例が急増しているアメリカでは、国民の18%が罹患しているというデータもあります。予防は金属になるべく直接触れないようにすること。ピアスなど身につけるものは、できれば金やプラチナなど、触っても溶けにくい金属を選ぶようにしたいですね」
成人してから発症する「金属」が原因の皮膚アレルギーの特徴(横関博雄先生の監修による)は次のとおり。
【原因】
ニッケル、コバルト、クロムなどの金属
【主な症状】
皮膚のただれ
【アレルギーの特徴】
何度も触ることで体内に蓄積されて発症。ピアスなどは汗がついた皮膚に触れても溶けにくい金やプラチナなどの金属がベター。じかに触らない工夫を
一度発症すると、貝やチョコ、コーヒーなど、ニッケル等の金属を含む食べものを口にするだけでもアレルギーが起こるので、食べものにも気をつけたい。