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いま50代後半に差し掛かった人は、自身も後期高齢者となる2040年代。いよいよ「支えられる番」だと思いたいものだが、現実はそう甘くない。国立社会保障・人口問題研究所によれば、2042年に高齢者の数は約4,000万人とピークを迎える見込みである。

 

同時にまた、生産年齢人口は2015年より1,700万人減少すると予測されている。支えてもらおうにも、土台はやせ細っていくばかりなのが現実だ。

 

「だからこそ、早いうちから老後に備えることが重要です。たとえば資産運用に関しては、75歳からは証券投資等には取引できる商品に制限がかかる場合が少なくありません。そもそも急に始めてもうまくいかない可能性が高くなるため、興味があるなら若いうちに勉強しておきましょう」

 

こう語るのは、とし生活設計の取締役で、1級ファイナンシャル・プランニング技能士の大野高志さん。これから私たちが迎える不安だらけの未来をどう乗り切ればいいのか。そこで、大野さんと、キャリアカウンセラーの小島貴子さんに、いまの50代が2040年代を乗り切るための方法を教えてもらった。

 

■行政や民生委員に頼るのに遠慮は不要!

 

「今後ますます、老老介護は増えていくはずです。日本人は我慢強さが美徳といわれますが、役所も慢性的な人手不足で事前に気づけないことも少なくありません。ふだんから役所や民生委員に相談できる関係を構築しておきましょう。民生委員とは、民生委員法に基づいて厚生労働大臣から委嘱された非常勤の地方公務員のことで、相談内容については守秘義務もあります。『頼れるものは頼る勇気』を持つこと!」(大野さん)

 

■「最期」の迎え方はつねにアップデートせよ

 

「60〜70代前半までに財産分与等について決めておき、内容を定期的に見直すようにしましょう。時間がたつことで家族の環境や財産の価値も変わってくるものです。常に『最新版』に更新しておけば安心でき、新たな趣味など、ポジティブなチャレンジをする余裕も生まれます」(小島さん)

 

■文字どおり「自分の足で歩ける」ための努力を

 

「自分で自分のご飯が作れるというのは、家族に負担をかけないばかりでなく、本人にとっても『誇り高い老後』になると思います。この年代からは、一度寝付いてしまうと再び立ち上がるのが難しいもの。少しでも長く『自立』していられるように、体を鍛えることはあきらめないでほしいですね」(小島)

 

■高額な死亡保険はニーズに合わせて切り替えるべし

 

「子どもが独立した後の死亡保険は、葬儀費用程度で足りる場合がほとんど。葬儀費用には地域差がありますが、長生きした場合、ご近所さんや友人の多くがすでに先立ち身内だけでこぢんまりと行えればいいケースも少なくありません。自分亡き後、困る人がいなければ、葬儀費用を残せる程度の死亡保険に切り替え、生活費にまわしてもいいでしょう」(大野さん)

 

悲観的に見える未来も、備え方次第で明るく照らせるはず!

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