預けていても、ほとんどお金が増えないのに手数料ばかり取られる。そんなあなたは、選ぶべき金融機関が間違っているのかも。じつは住む地域やライフスタイルによって選ぶべき金融機関は異なってくる。
「インターネットを使える人は、自宅のパソコンで残高照会や振り込みなどができる『ネットバンキング』を利用しましょう。今後、銀行はますますこの分野に力を入れていくので、利便性はどんどん向上していくはずです」
こうアドバイスするのは経済評論家の加谷珪一さん。ネット専業銀行は、ほぼネットのみでサービスを提供。ネットができる人なら、コンビニや大手スーパーを利用している人にとってもお得だそう。
「店舗を作らないなど低コスト経営で、提携したコンビニATM(現金自動預払機)での手数料が無料など、利便性は高い。全国どこでも口座が開設できるのも特色です」(加谷さん)
また、ネットショッピングやオークションを利用する人にとっては、ポイントがたまるサービスも魅力だという。おもなネット専業銀行と、その特徴は次のとおり。
■非流通系
【楽天】
ネット通販「楽天」グループのネット銀行。楽天証券に口座を開いて連係させることで普通預金の金利が5倍に。
【ソニー】
ソニーグループ。住宅ローン、外貨預金に強く、セブン銀行の手数料が無料になることで顧客満足度はつねに上位に。
■流通系
【セブン】
セブン&アイ・ホールディングス傘下。セブン-イレブン、イトーヨーカドーなどにある全国2万4,000台のATMでお金を無料で下ろせる。
【イオン】
イオングループ傘下。イオン、ダイエー、ミニストップなどのATMは引出し手数料が無料。クレジットカード作成で金利アップの特典も。
ただし、ネット専業銀行にはこんなデメリットも。生活設計塾クルーの深田晶恵さんが語る。
「ネット専業銀行は、通帳が発行されません。お金の出し入れをパソコン画面だけでしか見られないのが難点です。お金を増やしたい人は、通帳が発行される貯蓄用の口座を別に持って、通帳記入を定期的に行ってください。お金の出入りが一目でわかる通帳は無駄遣いを減らす情報の宝庫です」