「昔から親しまれているマルシンハンバーグは全体にラードが塗られて、油脂コーティング加工されているので、油をひかずにフライパンでカリカリに焼く“ちょい焦げ”のひと手間で、さらにおいしくなりますよ」
そう自信たっぷりに語るのは、ハンバーグを年間400個以上食べているという“ハンバーグ王子”こと松島和之さん。レストラン、冷凍、お取り寄せなども合わせれば、その数は千種類以上。
12月11日放送の『マツコの知らない世界』(TBS系)では、スーパーに置いてあるものからお取り寄せ品も含んだ「インスタントハンバーグ」の隠れた魅力を紹介している。
「“ちょい焦げ”のおいしさについては、マツコさんにもご賛同いただけたようで、収録中、自ら『焼きが足りない』とスタジオを飛び出してキッチンへ確認に行かれたんですよ。そこでマツコさんは、その焦げ付いたところを一口食べたとたん『やっぱりこれよ、これ。失敗がいいのよ』と大興奮。すかさず私も、この焼き加減は『失敗という名の成功です!』と合いの手を入れました(笑)」(松島さん・以下同)
シンプルなステーキと違って、ハンバーグが面白いのは、ソースや肉の種類、配合比率で味わいが変わっていくこと。
王子がここ数年で「格段に向上した」とうなるインスタントハンバーグの味のバラエティ。現在、200種類以上が市場に出回っているが、なかでも「何度でも食べたい」と思えるハンバーグのベスト5を教えてもらった。
「最も進化を実感したのが1位の『黒と黒のハンバーグデミグラスソース』です。牛100%のうま味と、野菜と肉をしっかり煮込んだソース、よくぞココまでと、そのこだわりに衝撃を受けました」
この商品を販売するのは栃木にある中堅メーカー、滝沢ハム。
「これまでは、低価格の手ごろな商品が主流でしたが、3年ほど前から、品質や製法に工夫をこらした1個400円超のものが伸びています」(滝沢ハム・広報担当)
値段が上がっても売れる理由は“専門店の味”がほんのワンコインで楽しめるから。そんな新たに評価されたコストパフォーマンスが消費者に受け入れられたのだ。
2位は日本ハムの「極み焼シリーズ」。これはソースの“あとがけスタイル”が画期的だった。
「極め焼は4種類ありますが、こんがり焼いたパティに、いちばん相性のよい和風ソースから試してみてください」
3位は「旨包ボリュームリッチハンバーグ」。伊藤ハムの“旨包(うまづつみ)”という独自の製法が、ヒットを呼んだ。
「中心は肉感を残した粗びきで、外側を細びき肉で包んでうま味を閉じ込めるのですが、私はあえてその粗びき部分にフランス『キリ』のクリームチーズを包み込んだものが好きです」
4位は「マルシンハンバーグ贅沢仕立て」。昔から親しまれているマルシンハンバーグの豪華版だ。
「’13年に51周年記念の新作として登場。ふだんは牛豚鶏を使用していますが、贅沢版は牛豚のみ。100円台という値段設定もさすが」
今年9月には、ケチャップの「デルモンテ」、オリーブオイルの「ボスコ」とコラボした新作が発売されている。
王子が、これは絶対に外せないと選んだのが、5位の「特製トマト煮込みハンバーグ」。’62年創業の老舗、北野エースが作った逸品だ。
「素材と手作り感にこだわった“家庭料理”を思い出させるハンバーグです。マツコさんも『お母さんがちょっと頑張ったときの手作りとしても通じそうね』と納得」