画像を見る

「首の奥の奥の筋肉の緊張が原因で、首のこりはもちろん、目の疲れ、頭痛まで引き起こされます」

 

こう語るのは、13日放送の『ガッテン! 首のこり改善SP』(NHK総合)に出演し、その解説で「首こりの原因がやっとわかった!」と、SNSなどで話題を呼んでいる粕谷大智先生。東大附属病院リハビリテーション部鍼灸部門の主任を務める“東大病院の名医”だ。

 

「首こりは、首の筋肉の3層下にある『後頭下筋群』の緊張によって引き起こされます」(粕谷先生・以下同)

 

緊張を誘発する要因としては、机でパソコン作業するときの前傾姿勢や、スマホを長時間使用するときの目の酷使があるという。

 

「後者は“スマホ首”という頸部まわりの痛みですね。緊張を解消するには“筋肉をゆるめる”ことが必要ですが、問題は4つの筋肉から成る後頭下筋群が前述のとおり“首の奥の奥”にあることです」

 

粕谷先生が鍼治療するときには、肩こりの場合は1センチだが、首こりの場合は2~3センチも鍼を深く打つのだという。

 

「後頭下筋群に鍼をしてゆるめることで首こりは解消されます。ただ鍼治療は通院が必要なので、自宅でケアするには番組でも紹介されていた体操が非常に有効です」

 

『ガッテン!』では「イヤイヤ体操」と「うなずき体操」が紹介されていた。やり方は簡単で、目を閉じて、左右と上下に首をゆっくり振るというもの。番組の中でも、体操を一定期間続けた被験者が絶大な効果を証言していた。

 

「私の治療室でもその体操を自宅ケアのひとつとして患者さんに指導しています。そこで、今回は番組で紹介された2つの体操に、さらに効果的なポイントをプラスしてお教えしたいと思います」

 

さっそく、粕谷先生の重要なポイントを加えた「(新)イヤイヤ&うなずき体操」を伝授してもらおう。

 

「後頭下筋群を刺激するツボに『天柱』があります。髪の生え際で僧帽筋(背中から首の後ろにかけての太い筋肉)の両サイドにあるくぼみの部分で、押すと少し痛みが感じられるところです」

 

まずは、番組でも推奨されているように、ベッドに横になって体操を始める準備を整える。

 

「あおむけになると、後頭下筋群の緊張がゆるむのです。その次に、両手の3指(人さし指・中指・薬指)で天柱を押さえてください。そうすることで下筋群に刺激を与えることができます」

 

【(新)イヤイヤ&うなずき体操 】

1)横になって天柱を探し、人さし指、中指、薬指の3指で押さえる。
2)天柱を押さえながら目を閉じ、顔を左右に3~4センチ振る。往復10回。
3)同じように天柱を押さえながら顔を上下に3~4センチ振る。往復10回。
4)最後にもう一度、天柱を押さえながら顔を左右に3~4センチ振る。往復5回。

 

両手で押さえたまま、目を閉じて、ゆっくり左右に首を3~4センチくらい動かし、この動きを往復10回するだけ(イヤイヤ体操)。終わると、そのままの体勢で、今度は上下に3~4センチ動かし、これも同様に往復10回行う(うなずき体操)。最後に、もう一度、左右の往復5回をして1セットとなる。

 

「目を閉じることで、後頭下筋群の緊張を抑えます。また、ゆっくり小さく動かすことが大切で、大きな動きになると、後頭下筋群とは違う筋肉を動かしてしまうことになります」

 

「(新)イヤイヤ体操&うなずき体操」は、1回2セットを朝・昼・晩に行い、習慣化すると継続しやすいと粕谷先生。さらに、もうひとつ首こりを防ぐ、後頭下筋群をゆるめる体操を粕谷先生が伝授してくれた。

 

【天柱押しほぐし】

1)天柱にこぶしを当て、目を閉じて後頭部をこぶしの底面に向かって2秒間押し当てる。
2)力を抜いて頭をもとに戻す。これを5回くり返す。

 

「座って、目を閉じて行う『天柱押しほぐし』です。やり方は簡単です。こぶしを作り、天柱に押し当てます。そのこぶしの底面に2秒間、後頭部を押し付けるだけ。ゆっくり戻すまでの動きを5回。これも朝・昼・晩と行いましょう。もちろん、首のこりがはげしいときには随時やってみてください」

 

肩こりとは別の筋肉の緊張が首こりの原因で、しかもその筋肉がやっかいな場所にあるために、いつもの“こり解消法”では痛みが消せなかったのだ。

 

「首の動きが痛みで制限されると、日常生活にも多大な影響があります。ぜひこの(新)天柱体操で、首こりを退治してみてください」

【関連画像】

関連カテゴリー: