2月7日に明らかになった、賃貸アパート大手「レオパレス21」の相次ぐ施工不良問題。これまでも同社は施工不良物件の存在を明言していたが、同日、新たに33都府県にある1,324棟の物件で壁や天井などに施工不良があることが報告された。住民からは、「隣人の物音で眠ることができない」という悲鳴が相次いでいた――。
「しかし、レオパレス問題はあくまで氷山の一角。知らないうちに“不良賃貸物件”を押し付けてくる不動産業者や、不正を働く引越し業者はまだまだいます」(不動産関係者)
新生活に向けて、物件選びや引越し業者との打ち合わせを進めている人も多いはず。せっかくの引越し先に、そんな“不良物件”をつかまされたら、たまったものではない……。
そこで、賃貸物件で失敗しないための知恵を取材するため、お笑いコンビ2700のツネのもとを訪れた。「右ひじ左ひじ交互に見て~」でブレークした2700。ツネは’17年11月から不動産業者の賃貸部門を任され、「ツネの賃貸『THE CHINTAI』」という賃貸住宅サービスをはじめている。
不動産会社で部長も務める彼は、次の選ぶべきではない4つの“NG不動産業者の特徴”を挙げる。
【1】1つの物件をひたすら推す
【2】物件をすすめてすぐに「売れてしまった」と話す
【3】物件の張り紙が日焼けしている
【4】駅前などの好立地にある
つぎに引越し業者の見分け方を調査のため、お笑い芸人のたかくら引越センターのもとを訪れた。たかくらは、大手引越し会社でアルバイトの経験から先輩芸人の引っ越しを手伝っていたところ、「ピアノ以外は1人で運べる」とテレビやSNSで評判に。一般人からの依頼も舞い込むようになり「たかくら引越センター」という会社を’12年に立ち上げた。
たかくらは、次の5つの“NG引越し業者の特徴”を挙げる。
【1】見積書作成に1週間以上かかる
【2】見積書の内訳を書かない
【3】契約前に、梱包用段ボールを置いていく
【4】トラックのナンバープレートが白い
【5】トラックの中が整理されていない
これらの特徴を踏まえたうえで、賃貸物件で失敗しないためには、「必ず物件の内見に行ってほしい」とツネは語る。
「地方から出てくる人は、遠方のため大変なので、内見しないで部屋を決める人が多数います。しかし写真はめちゃくちゃ奇麗なのに、住んでみたら思っていたより汚なかったという声が後を絶ちません。お客さまが物件の状況を把握するには、内見に行くことがとても大事なのです」
どうしても内見に行けない場合は、不動産業者が真摯に自分の希望に向き合ってくれるか、電話での対応を探ったり、ネットで口コミサイトを訪れるのがよいという。
「実際に物件を訪れたとき、チェックする事項は(1)玄関ドアのサイズ、(2)防音、(3)湿気や結露でサッシや壁が変色していないか、(4)携帯電話の電波は受信できているか、などです。いまお住まいの家に、大きな家具などがある場合は、玄関ドアの可動域を確認し、引越し業者と相談してください。搬入のときに破損してしまう場合があります。つぎに、両隣の物音が聞こえないか、壁に数分間、耳をあててチェックしましょう」
ツネは、「部屋の内見が終わったら絶対確認してほしいことがある」と続ける。
「ゴミ置き場や駐輪場が汚ない物件は、おすすめできません。ルールを守らない住人が多かったり、管理が手薄なところと判断できるからです。管理費をちゃんと取っているほうが、共有スペースの掃除をきちんとしてくれますから、『管理費0円』という物件も、あまり選ぶべきではないと思っています」
芸人仲間や芸能人の引っ越しも引き受けているというたかくら。これまでの引越しエピソードを聞いてみると……。
「熱愛が報道されたカップルの引っ越しに行ったとき、『荷物は半分だけ運び出して』と言われたんです。そのときは『あ、別れるんだ』と(笑)。いちばん大変だったのは、カラテカの入江さんの引っ越しですね。当日作業に行ったら、段ボール1個くらいしか荷造りしてませんでしたから(笑)。後輩芸人を大勢呼んで荷造りしましたよ。皆さんは、余裕を持って荷造りするようにしてくださいね!」
業者によっては、当日の荷造りを手伝ってくれますが、追加料金が発生することもあるという。自分に合った業者を見つけたら、スムーズに転居ができるよう準備をはじめよう。