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「下半身太りに便秘や頻尿、生理不順。全部、お尻のむくみが原因かもしれません。お尻をさわってひんやりしていたら要注意。そのむくみが多くの不調を招きます」

 

こう話すのは、中医学のプロフェッショナル、中医師である今中健二先生。前回、本誌に登場したときは、水の飲みすぎががんの原因になると警鐘を鳴らし、大きな反響を呼んだ。その今中先生が今回注目するのが、お尻のむくみ。

 

「年齢にかかわらず、お尻がむくんでいる女性はとても多いんです。腰の上から始まり、お尻自体が大きくなっているのがその典型。座っている時間が長い人ほどお尻に水がたまりやすく、それがむくみの原因になります。そのうえ飲み物を飲んでばかりいる人は、その水分がたまる一方です」

 

お尻のむくみは、やがて冷えると肉として定着し、経絡の流れを妨げるようになる。

 

「中医学では、12本の経絡を通って体じゅうに栄養が運ばれ、老廃物もその流れに乗って腎臓へ届き、体外に排出されると考えます。その経絡の中でも、頭から背中、足の裏側まで体の後ろ側を通る『足の太陽膀胱経』という経絡は、お尻と密接につながっています」

 

お尻がむくめば、当然そこで経絡の流れが悪くなり、栄養素と老廃物の循環は滞る。

 

「太陽膀胱経では、頭からお尻の上までで栄養を届けきり、お尻の下から足先までは、老廃物だけが循環する流れになっています。お尻で流れが妨げられると、下半身の老廃物がうまく流れず、そこにとどまりがちになる。これが、下半身のむくみの原因です」

 

最初にむくみが始まるのは、いちばん下のふくらはぎ。それが年をとるにつれて太ももまで広がり、お尻を含めた下半身太りを招くのだ。影響を及ぼすのは、見た目だけではない。足の冷え性や下肢静脈瘤も引き起こす。

 

「お尻のむくみが冷えて硬くなると、その内側にある子宮、大腸、膀胱といった臓器の活動にも影響を及ぼします。子宮なら生理不順や子宮筋腫、大腸なら便秘。膀胱はむくみにより圧迫され、頻尿気味になります」

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