「健康志向やダイエット・ブームで『糖質オフ』や『カロリーゼロ』などを売り文句にした食品が増えています。しかし、健康志向をうたう食品に使われがちな『合成甘味料』は、自然界に存在しない『化学合成物質』。それらは内臓機能を損なったり、免疫力を低下させて、がんの引き金になるものもあるんです」
こう話すのは、ベストセラー本『買ってはいけない』著者で、近著に『OK食品 NG食品 どちらを食べますか?』(WAVE出版)がある科学ジャーナリストの渡辺雄二さん。店頭で買い物をするときには、商品のパッケージ裏にある原材料名表示の添加物に目をやることが必要だと言う。
「その原材料名の欄には米、小麦粉、みそ、砂糖などの食品原料のあとに、着色料、保存料など添加物を記載することが義務づけられています。食べてもOKかNGかは、ここに何が書いてあるかに注目して判断してください」
私たちが、日ごろ口にする頻度の高い食品に入っている添加物のうち、“危険添加物”は次の5つだ。
【カレールー】
健康に悪影響がある添加物:カラメル色素、甘味料(アセスルファムK、スクラロース)
NGな理由:合成甘味料のアセスルファムKは肝臓障害を引き起こす可能性も。スクラロースは有機塩素化合物の一種。リンパ球が減って免疫力が低下する心配がある。
【ソーセージ】
健康に悪影響がある添加物:発色剤(亜硝酸Na)
NGな理由:発色剤の亜硝酸Naが添加されている。亜硝酸Naは、食肉中のアミンと結合して発がん性のあるニトロソアミン類を作り、がんになるリスクを高めるとも。
【フルーツ缶】
健康に悪影響がある添加物:着色料(赤色3号)
NGな理由:さくらんぼを真っ赤にするためタール色素の赤色3号が使用されている。動物実験の結果などから発がん性の疑いが持たれている。
【低糖質発泡酒】
健康に悪影響がある添加物:カラメル色素
NGな理由:カラメル色素が添加されている。カラメル色素は4種類あり、カラメル3とカラメル4には発がん物質が含まれるが、種類の表示がないので危険度はわからない。
健康を損なうおそれがある、とくに“危険”な5つの添加物を忘れずに覚えておこう。
最後に渡辺さんは、安全な添加物を含む食品を挙げてくれた。
【セブンプレミアム 無塩せき ポークウインナー】(セブン&アイ・ホールディングス)
発色剤の亜硝酸Naが含まれていない。
【イシイのおべんとクン ミートボール】(石井食品)
「無添加調理」を標榜するメーカーの商品。肉も「岩手県産若鶏」と明記。
【ドール パイナップル スライス】(ドール)
原材料は「パイナップル、砂糖、クエン酸」のみ。シンプルさに安心感が持てる。
【セブンプレミアム のむヨーグルト プレーン】(セブン&アイ・ホールディングス)
添加物なし、母乳が含むガラクトオリゴ糖配合。
【淡麗グリーンラベル〈生〉糖質70%オフ】(キリンビール)
無添加商品。発泡酒にしばしばみられる着色料のカラメル色素も無添加。
【ハーゲンダッツ グリーンティー】(ハーゲンダッツジャパン)
甘味やコクなどを砂糖、卵黄で出し、合成甘味料は添加していない。
【パスコ 超熟】(敷島製パン)
よくパンに使われるイーストフード(化学物質を混ぜ合わせたもの)など添加物を使用していない。
「セブンプレミアムの無塩せきポークウインナーは発色剤の亜硝酸Naが含まれていません。貝カルシウムは貝殻由来の栄養成分ですし、香辛料抽出物はこしょうなどの香辛料由来のものですので、安全性に問題ありません。ソーセージやハムなどの加工肉の場合は、“無塩せき”と書いてあるものを選ぶといいでしょうね」(渡辺さん)
ドールの「パイナップル スライス」に添加されているクエン酸は、「柑橘類に元々含まれている酸を添加しているため、安全性に問題はない」そうだ。
参考文献:『買ってはいけない飲み物・お菓子 買ってもいい飲み物・お菓子』(だいわ文庫)