年をとるごとにつのる老後への不安。どうにかしたいという一心で、投資や財テクに手を出そうと検討している人も多いだろう。でも、あなたが選ぼうとしているのは老後破綻の入口かもーー。
「老後2,000万円不足問題や、年金受給開始年齢の引き上げ論などがメディアで話題となり、リタイアが見えてきた50代の人たちの多くは“時間がないから、何か手を打たなくては”と焦っていることでしょう。しかし、そんな老後不安を抱える人たちの資産が狙われているんです」
こう警鐘を鳴らすのは、「やってはいけない! 老後の資産運用」(ビジネス社)の著書もある、ファイナンシャルプランナー(FP)の岩城みずほさんだ。
「老後のため、よかれと思ってやったことが大失敗ーー。そんなことにならないよう、陥りやすい落とし穴を押さえておきましょう」
岩城さんが、老後不安につけ込まれて、ついやってしまう「お金のタブー」を解説してくれた。
【タブー1】不動産投資に手を出す
「女性専用のシェアハウス運用の投資を募った『かぼちゃの馬車』事件の被害者も、年金に不安を持つサラリーマンが多かったんです」
“毎月家賃収入が入ってくるし、いざというときは物件を売ればいい”。そんな安易な考えで、不動産投資に手を出すと、大やけどすることに……。
「空室が出ることもあるし、物件は古くなっていく。立地条件、ランニングコストなど、綿密な戦略を練らなければ、大きな失敗につながってしまいます」
“不労”で稼げる仕事はないのだ。
【タブー2】知識なしでキャッシュレスデビュー!
指定店舗で現金を使わないキャッシュレス決済をすれば、2%か5%のポイントが還元されるキャッシュレス・ポイント還元。これを機に、年会費無料のクレジットカードを作った人も多いはず。
「しかし、普通にクレジットカードを作ったと思っていたのに、支払い方法の初期設定がリボ払いにされているカードだったり、知らずにリボ払い専用カードを申し込んだりしている場合があります。利用額に関係なく、月々の支払額が一定額以下に抑えられるリボ払いですが、そのぶん、金利が15~18%と非常に高いのが特徴です」
2%、5%のポイント還元を得るために、高金利のリボ払いをするのは本末転倒。
「必ず明細などで、リボ払いの設定の有無をチェックしましょう」
よかれと思ってやったのに、大きく損をしてしまった……。そんなことがないように、「お金のタブー」を頭にたたき込もう!