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「お金儲けのノウハウやテクニックをまとめたものを“情報商材”といいます。情報商材の特徴は、『○○をすれば簡単に儲かるよ!』という文句が広告に打ち出されていること。そして、お金を払って自分のもとに届くまで、その内容を確かめることができないということです。いま、中身のない情報商材を売りつけてお金を騙し取るという詐欺が、スマホの普及に合わせて大流行しているのです」

 

そう教えてくれたのは、ITジャーナリストの三上洋さん。国民生活センターによると、’18年度の情報商材詐欺の相談件数は8,787件。5年前と比較して、なんと約10倍に増えている。

 

「とくにいま詐欺のターゲットにされやすいのは、女性でしょう。専業主婦や、育児・介護で休職中の主婦のように『せめて家で何か仕事ができれば』と考えている女性が飛びついてしまうことが多い。その手口と誘い文句は多岐にわたり、被害は拡大するばかりです」

 

気をつけたい儲け話は次のとおり。

 

■転売ビジネス

 

NG文句:「超簡単! スマホで錬金術」「お好きなタイミングにスマホで30分作業するだけ」「リスクなしで在宅主婦が活躍中」

 

メールやLINE(ライン)を登録し、申込金として1万円程度を支払う。送られてくる情報商材の中身は、商品を購入しないまま大手通販サイトに出品し、売れてから初めて商品を購入することで差額を稼ぐドロップシッピングという転売ビジネス方法。さらに、サポート代として最高150万円の高額な有料プランに入会させられるが、実際にはサポートを受けられず、商品もほとんど売れない。

 

■アフィリエイトビジネス

 

NG文句:「あなたもインスタグラム投稿で月○万円!」「主婦が自分らしく稼げる副業」

 

主に「アフィリエイト」と呼ばれる、ブログやSNSと連動する成果報酬型広告を利用した稼ぎ方。高額なセミナーや研修に参加して、アクセス数を稼ぐブログの書き方、アフィリエイトの仕組みや写真の撮り方のコツ、「毎日1本記事をアップする」といったフォロワーやファンを増やす方法について学ぶ。実際は、フォロワーを爆発的に増やすことはできない。

 

■投資・仮想通貨ビジネス

 

NG文句:「たったの3分でお小遣いが○倍!」「安く購入できるのは今だけ」

 

数円や数十円の少額から投資ができ、一旦投資をしてしまえば放っておくだけで何十倍にも増える、といった甘い文句がウリの「仮想通貨ビジネス」。無料セミナーへの出席や会員登録をすると、有益な情報がもらえると囲い込み、価格保証や元本保証があるからと気軽に投資を勧められる。しかし、仮想通貨に限らず、価格を保証する行為は法律で禁止されており、結局損失を抱えてしまう。

 

三上さんは、主婦が安易にスマホで「副業」「稼ぐ」などと検索するのはやめるべき、と警告する。

 

「『副業』で検索すると、『女性限定の在宅副業おすすめ』など、情報をまとめた記事がゴロゴロでてくるはず。これらは、情報商材詐欺の広告記事である可能性大。広告記事の特徴は、1ページがとても長いこと。体験者の成功話がたくさん載っていて、長々と読むうちに『私でもできそう』と思い込ませるんです」

 

ネット広告は、自分が検索したワードに連動して表示される傾向がある。

 

「いちど検索してしまうと、情報商材詐欺の広告が表示されやすくなってしまうのです。『自宅でできる』『簡単に稼げる』『すぐ儲かる』『無料セミナー開催』……こんな誘い文句の広告があったら、まず詐欺に誘導されると疑ってかかってください」

 

ネット詐欺の会社は、実体がなかったり、メールを受けても返事をしなかったりする。そのため、払った金額を取り戻すのはかなり難しい、と三上さんは指摘する。

 

「騙されたと気づいてから『副業 騙された』『情報商材 トラブル』などで検索するのも厳禁。『払ったお金を取り戻します』とうたうサイトに誘導され、また高い相談料を支払わされる“負のスパイラル”に陥ってしまいます。もちろん、この相談サイトも詐欺である可能性が高いです。被害にあったと気づいたら、まずは『消費者ホットライン188』に連絡し、相談してみてください」

 

ラクな儲け話などない、と心得るべし。

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