「仮に1,000万円貯金があったとしても、それを生活費の不足分として取り崩していくと、5年ぐらいでなくなってしまいますよね。ところが同じ1,000万円を分散して投資すれば、お金の寿命を延ばすことができます。たとえば1,000万円を3%で運用できたら24年でほぼ倍になる計算。投資は怖いと思う人もいますが、少ない金額でかつ楽しみながら投資する方法もあります」
そう語るのはファイナンシャルプランナーの山口京子さん。「せっかく節約して貯めたお金を、そのまま銀行の普通預金に預けておくのはもったいない」と、山口さんは攻めの貯蓄を提案する。楽しみながらお金を捻出するのに手っ取り早いのが「ふるさと納税」。
夫の年収が500万円、扶養の範囲内で働くパートの妻と高校生の子どもの3人家族を例にとれば、4万円を寄付すると、2,000円引いた額がその年の所得税の控除の対象になり、翌年の住民税から差し引かれる(控除の上限額は、年収や家族構成などで異なる)。さらに返礼品は寄付金額の30%相当程度が上限となっているので、最大で約1万2,000円ほどが「貯蓄」できる計算に。
そして、貯めたお金を楽しみながら増やすなら、株主優待がある会社への投資。
「10万円台で株主優待の権利が得られる会社の株があります。飲食チェーン店やカラオケ店での食事券や利用券がもらえるので、外食費や遊興費をカットできます。ほかにも、クオカードや化粧品がもらえる優待を選べば、日用品などが節約できます」
たとえば、回転寿司のかっぱ寿司を運営するかっぱ・クリエイトの株主優待の権利を得るには、100株が必要になる。昨年12月30日株価の終値は1512円なので100株を購入するには15万1,200円が必要だが、年に2回、3,000円分のポイントがもらえて食事に使える。利回りに換算すると3.96%。
「株を購入するには証券会社の口座を開く必要があります。初心者は手数料が安いネット証券がオススメです。映画の配給を行う東京テアトルは約14万円で、年2回ご招待券が4枚もらえます。家電量販店のヤマダ電機は約5万6,000円で500円相当の優待券が6枚もらえて、株主の期間が長くなるほど優待券が増えます」
これらの銘柄を上手に組み合わせれば、年間で1万8,000円程度の「貯蓄」は十分可能だ。
また、“プチ投資”ということでいえば、最近ではスマホを使った手軽な投資がトレンド。LINEスマート投資は500円という少額から積立投資が始められて、ロボアドバイザーが全自動で世界中に分散投資してくれるという。LINE Payから毎週自動的に引き落とされるので、必ず積み立てる習慣が身につき、知らないうちにお金が増えていくことになる。
貯金から投資のお金を捻出するのが難しいという人には、買い物で貯まったポイントを投資に回すという手もある。
「せっかくのポイントを失効させてしまうのはもったいない。楽天スーパーポイントは100ポイントから2つのコースで運用できますし、Tポイントなら、1株からポイントで買うことができます」
「女性自身」2020年1月28日号 掲載