「“お金の話”と聞いただけで、苦手意識が先行して、その場で思考停止する人が多いですよね。でも、全然難しいものではなく、ちょっとしたコツ、ノウハウを使うことで、頭を悩ませるお金の問題がすっきり解消するんです」
こう語るのは、『大人になったら知っておきたい マネーハック大全』(フォレスト出版)の著者であるファイナンシャルプランナーの山崎俊輔さんだ。
もともと「ライフハック」という言葉がある。書類の簡単な整理の仕方から、ゆで卵の上手なむき方まで、ちょっとした工夫で人生を豊かにする「仕事術」や「生活術」を指す言葉。
「マネーハック」はここから派生した言葉で、いわば“お金の裏ワザ”とでも言えようか。それでは、苦労せずに、ちょっとした工夫で、いつの間にか節約できてしまうお金の裏ワザを教えてもらおう
【1】ロボット掃除機や食洗機を買う
「ロボット掃除機や食洗機は数万円もするので、購入を見送ってしまいます。でも、時短とストレスを考えると割安といえます。仮にロボット掃除機と食洗機がそれぞれ8万円だとしたら、合計で16万円。これを5年間で買い換えるとしても、1カ月2,700円、1日あたりのコストは、なんと100円弱なんです」(山崎さん・以下同)
もちろん、自分でやれば、お金はかからないが、本来、労働はお金に換えることができるものだ。
これらの機器の導入で、週に5時間家事時間を減らせた場合、月に20時間の労働の削減になる。時給1,000円だとしても、2万円の削減。機器を購入したことで、1カ月に1万7,300円得したと考えることもできる
「浮いた時間で実際に働いてもいいですし、自分の好きなことに使ってもいい。お金だけでなく、時間も“得する”ということを考えましょう」
【2】ネットショッピングは“欲しいものリスト”を活用
多くの人に身近になってきたネットショッピング。アマゾンや楽天市場など、各ECサイトで頻繁にセールが行われているが、“最安値”で買うコツがあるという。
「東京五輪を観戦するために4Kテレビが欲しいなど、特に購入を急がない場合は、アマゾンや価格.comの“欲しいものリスト”に登録しておくと便利です。セール時や高ポイント還元時に通知を送ってくれるんです。特に価格.comのサービスは優れており、○万円以下と設定すると、実際に値段が下回ったときに通知してくれます」
新商品の発売時や在庫一掃セールなど、安くなるタイミングは必ずある。うまくいけば、購入検討時の半額で買えることも。
【3】朝食は安売りパン+高級バター
頻繁に買わなければならないものを安く、たまに買うもので少しぜいたくするのが、マネーハック流だ。
「毎朝の朝食に、1食150円の菓子パンを食べる場合と、高級バターを食パンに塗って食べる場合を比べてみましょう。食べ比べてみればわかりますが、一般的なバターと比べて高級バターを塗ったパンは驚くほどおいしい。そのぶん値段も張って、450グラムで1,500円ほどと一般的なバターの1.5〜2倍の値段になります。しかし、45食分だと考えると、1食あたり33円に過ぎません。特売の1袋150円の6枚切りの食パンに塗って食べる場合、1食あたりの値段は計58円です。150円の菓子パンを食べるよりも、1食92円も安くなるにもかかわらず、満足度は、高級バターを塗った食パンのほうが高いかもしれません。家族4人×1カ月で計算すると、高級バターという満足度を得ながら、菓子パンに比べ約1万1,000円も安く済ませられるのです」
これは、高級醤油などにも置き換えられる。1本500円であっても、2〜3カ月持つなら1回分の料金は高額ではなく、安売りのお刺身でも、満足度を高められる。
「毎日買うものは安く、たまに買うものは高級なものを選ぶことで、ストレスなく節約ができるのです」
どれもちょっとした心がけでできるものばかり。爪に火をともすのは昔の話。節約はNOストレスでやろう!
「女性自身」2020年2月4日号 掲載