画像を見る

「最近、『新型コロナウイルス感染症オンライン相談』を開いたのですが、数日にわたり微熱が続く医療関係者や、2週間ほどせきが続く患者さんなどから問い合わせがありました」

 

こう語るのは「ナビタスクリニック」の理事長で内科医の久住英二さん。同クリニックでは1件につき約5分(自由診療3,000円)のオンライン相談を始めたが、毎回、所定時間をオーバーするという。

 

「相談を受けていくなかで感じるのは、全国的に小中高が休校になるなど“外出禁止ムード”が漂ういま、みなさんが、日々をどう過ごすかで多くの疑問や不安を抱えているということです」

 

感染リスクを下げるには一体どこまで気をつけないといけないのか−−。誰もが抱える生活上の“不安”を久住さんと米国国立衛生研究所の病理医・峰宗太郎さんが解決してくれた。

 

【日常の不安1】

マスクがつねに売り切れで手に入りません。使い捨てマスクを消毒して2〜3回使い回しても大丈夫でしょうか?

 

「メーカーは、使い捨てマスクを消毒したり洗ったりして再利用することを想定して作っていませんので、おすすめはできません。本来、マスクはせきや熱などの症状がある人がするもので、元気な人がつけても感染予防に役立つことはありません。しかし、人混みのなかでマスクをつけたい気持ちもわかります。マスク不足で悩んでいるなら、バンダナやハンカチを巻いて代用してもいいでしょう」(久住さん)

 

【日常の不安2】

マスクやドアノブなど、すべてにウイルスがついている気がして……。家にいても、1日に何度も消毒や手洗いをしてしまい、おかしくなりそうです

 

「このように強迫症状に悩まされる人が非常に多いのが気がかりです。過度に神経質になる必要はありません。ウイルスは突然、湧いてくるわけではありません。帰宅時には入念に手を洗い、そのほか家にいる間は、料理と食事の前に洗う程度でよいでしょう。しかし、不特定多数が触るものにはどうしても一定の接触感染のリスクがあります。ATMのパネルやドアノブなどを触ったあとは、目や口などを触らずに、手洗いできるとよいですね」(峰さん)

 

【日常の不安3】

遠出をするのは気が引けるので、近場の飲食店で外食して息抜きしたいのですが、感染リスクは高いのでしょうか

 

「感染リスクはゼロではありません。しかし、ほかのお客さんと向き合うことはほぼありませんし、隣に感染者がいる可能性も低いです。それほど長い時間お店にいなければ、リスクは決して高くはありません。ファミレスなどは比較的座席の間にゆとりもあり、ほかのお客さんと相席になることもあまりない。過剰に怖がらず、気分転換に外食を楽しんでください。ただ、バイキング形式の食事はほかの人の飛沫が付着している恐れもあり、一定のリスクがあるので、避けたほうが無難でしょう」(峰さん)

 

【日常の不安4】

消毒用アルコールが品薄で買えません。ほかに代用できるものはありますか?

 

「まず手の消毒は消毒液がない場合、手洗いのみでも問題ありません。石けんでしっかり洗えば予防効果は高いです。机やドアノブなどを消毒したい場合は、中性洗剤や次亜塩素酸ナトリウム(ハイターなど)を使ってもよいでしょう。各商品のラベルに希釈の目安が書かれていますが、おおよそ500ミリリットルの水に数滴垂らし、布に染み込ませて拭けば十分です。最後に乾拭きを忘れずに」(峰さん)

 

【日常の不安5】

予防以外に少しでも自分の免疫機能を高めたいです。何か生活習慣で気をつけたほうがいいことはありますか

 

「新型コロナウイルスに効くか確かめられてはいませんが、バランスのよい食事や十分な睡眠で風邪や結核などにかかりにくくなることがわかっています。なので、睡眠時間を8時間は確保するといった規則正しい生活を心がけてみてください。また、インフルエンザの場合、喫煙者は吸わない人と比べて、重症化するリスクが高いといわれています。禁煙することで、肺の状態は改善します。今からでも遅くはないので禁煙に挑戦してはどうでしょう」(峰さん)

 

終息の見通しが立たず、今の生活がいつまで続くかわからない。だからこそ、感染リスクを下げると同時にストレスをためずに続けられる生活も心がけたい。

 

「女性自身」2020年3月24・31日合併号 掲載

【関連画像】

関連カテゴリー: