手の指を曲げて、第2関節の先端を鍼のようにして使う。内側、外側で圧をかけて刺激する。 画像を見る

マスクをつけて外出する日が続くなか、帰宅後にマスクを外した顔を鏡で見て、「自分の顔に思わずゾッとした」という経験はありませんか? 額と眉間に刻まれた深いシワ、腫れぼったいまぶた、目の下のクマ、くっきり現れるほうれい線……これらは老け顔の典型だ。

 

「年代を問わず、多くの女性の悩みが“顔のたるみ”です。これらは紫外線、酸化のほかにも、加齢による顔の筋肉の衰えなどが原因と考えられています」

 

そう語るのは、美療サロン「ハリジェンヌ」の光本朱美院長。鍼とエステのメソッドを融合させた「刺さない美容鍼」の第一人者だ。光本院長は多くの女性が悩む“老け見え”の原因を、次のように解説する。

 

「女性は30代後半から女性ホルモンの減少が始まり、骨粗しょう症になりやすい傾向にあります。顔の筋肉の表情筋は骨と皮膚についているため、骨量が減り骨が縮んでくると、皮膚がそれに引っ張られてたるんでしまうのです。さらに筋肉まで衰えることで、たるみはさらに加速。筋肉は動かさないと収縮して固まり、ますます衰えます。このことから、表情筋に刺激を与えて鍛えることが、たるみを防ぎ、見た目の若さをキープする秘訣なのです」

 

光本院長が考案したセルフケアは、顔の表面をなでるようにマッサージする方法とは異なり、指を「鍼」のように使うことで表情筋を刺激し、顔のたるみをリフトアップするメソッドだ。

 

「人さし指を曲げたとき、第2関節の先端の部分を“鍼”に見立てて使うので、“ユビバリー”と呼んでいます。親指は顔の支えになったり、筋肉を挟んでもみあげたりする働きをします。この2本の指をメインに使います。基本の動作は2つ。まずはユビバリーの先端を肌に押しあてて、圧をかけながらイタ気持ちいいくらいの強さでグルグル回します。もう1つは、骨や筋肉に沿って上下左右に滑らせます。1日5分程度、いつでもどこでも実践できて、短時間で効果が実感できます。肌に負担をかけないよう、長くても1日10分程度を心がけましょう」(光本院長・以下同)

 

まずは準備運動。顔の血行を促すため、両耳をちょっと痛いくらいの力で引っ張る。顔がポカポカしてきたら、額、目の周り、ほうれい線など、パーツ別に気になる部分を集中的にケアしよう。

 

「“イタ気持ちいい”の力の加減がわからないときは、皮膚の表面ではなく筋肉をとらえるようにグッと皮膚の奥に力を入れて、痛いと感じたらその力で行います。額のシワは、親指を耳の前に添えて、ほかの4本の指をグッと握り、第2関節を使い外から中央にスライドさせます。痛い場合は圧力を弱めて回数を多めに行ってもいいです。眉間にくっきりと刻まれたシワがあれば、眉頭から眉の中央にのびる皺眉筋が凝っている証拠。シワとシワの間にユビバリーをあててグリグリとほぐしましょう。まぶたのたるみ、目の下のクマなどは目の周りを覆う眼輪筋の衰えによって引き起こされます。特にスマホの見すぎで酷使されているので、使いすぎの筋肉をほぐし、弾力性を取り戻すことが大切です」

 

人さし指のユビバリーで、圧をかけながら目の周りの骨にそってスライドさせよう。ほうれい線は、口元から額にのびる口角挙筋と目の下から上唇に縦に走る上唇挙筋のコリが原因。口の両側からあごに向かってのびる「マリオネットライン」とともにしっかりほぐすと、表情もやさしくなる。マリオネットラインは、指の側面の平らな部分をすべらせるようにして上に引き上げるケアをしよう。

 

さらにあごの下のくぼみをほぐすことで、二重あごを解消しよう。そうすることでフェースラインがスッキリしてくる。

 

「顔の筋肉だけでなく、首や肩などの周囲をほぐして、リンパの流れをよくして柔軟にしておくと相乗効果が出てきます。また、首回りの筋肉のコリもたるみのもと。仕上げに首の側面の筋肉を伸ばすストレッチで、コリをほぐしておきましょう。スマホばかり見て、下を向き続けていると顔のたるみが進行し、首のシワも刻まれやすくなります。正しい姿勢をキープすることも、顔のたるみを予防する基本です」

 

ニキビや湿疹が悪化したときや、日焼けなどの皮膚トラブルがあるときは控えるようにしよう。また、筋肉痛が出た日もセルフケアは控え、筋肉を回復させたほうがよいそうだ。

 

道具もいらず、どこでも手軽にできるユビバリー。気になる効果は、個人差はあるものの、早い人で1週間、2週間続けるとシャープな顔立ちを取り戻せるという。さっそく今から1日5分実践して、“見た目年齢マイナス10歳”を目指そう!

 

「女性自身」2020年4月14日号 掲載

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