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「トイレットペーパーはマスクと同じ原料だから、これから製造できなくなる。製造元も多くが中国なので、輸入がストップする」

 

新型コロナウイルスの感染者が日に日に増え、不安感と連動するように、ちまたでは不確実な情報が拡散されている。冒頭のような“デマ”がネットでは出回り、ドラッグストアから一斉にトイレットペーパーが消えたのも、記憶に新しいだろう。

 

しかしいま出回っているのは、必需品についてのデマだけではない。ともすれば“命の危険”にもつながるような、医療についての誤情報が出回っている。

 

「ネット上では『○○をすれば新型コロナウイルスには感染しない』という“ニセ医学”が出回っています。この騒動に乗じて注目を集めたいのか、医師免許所持者でさえ、首をかしげたくなることを言いだしているんです」

 

こう話すのは、『“意識高い系”がハマる「ニセ医学」が危ない!』(扶桑社)の著書をもつ、五本木クリニック院長の桑満おさむ先生。ちまたでささやかれる“医療のウワサ”を集め、論文をもとに真偽を確かめる“ニセ医学バスター”としてブログを投稿している。

 

そんな、桑満先生がコロナ禍での“ニセ医学”を見抜く「NGワード」を教えてくれた。

 

【1】除菌効果がある

「まず、ウイルスは細菌ではありませんから“除菌”ではウイルスを取り除くことになりません。また除菌という言葉もよく耳にしますが、医学用語ではないのです」(桑満先生・以下同)

 

【2】ウイルスを「死滅」させる

「ウイルスは生き物ではなく、物質に近いもの。わかりやすく『退治する』『やっつける』などと表現することはありますが、正しくは『不活性化』といいます。ウイルスを生き物と捉えて、もっともらしく説明するのが“ニセ医学”の特徴です」

 

【3】医師の奥さんが言っていた話だけど/○○さんから聞いた話だけど

「不確かな情報に惑わされる古典的なパターンですね。人づてに聞いたという情報は、出どころがあいまいなことが多く、ニセ情報の可能性大。誰が言ったかではなく、どういう根拠に基づいているかが大事なのです」

 

【4】ちゃんとしたデータがある

「その反対意見のデータもたくさんあるのが、医学の世界。数カ月前に出たばかりの新型コロナウイルスに対して、100%正しいと判断できるデータはまだ出ていません」

 

【5】医療関係者が実践している

「もっともらしく聞こえますが、命に関わる情報です。臨床的証拠がない限り、“間違いない”と無条件に信頼するのはやめたほうがいいでしょう」

 

ネットで拡散される感染予防法については、これからも常に疑ってかかろう。

 

「女性自身」2020年4月21日号 掲載

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