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物を持つときや操作するとき、あなたは手のどの指に力を入れていますか? おそらく無意識の人がほとんどですが、親指を酷使していることが多いよう。しかし、小指を意識的に使うことで、体の不調が消えていくのだとしたら……!?

 

「当たり前ですが、手の5本の指にはそれぞれ筋肉があり、その筋肉は体幹部の筋肉へと筋膜でつながっています。だから、どの指を使うかによって、体調や体形にも影響が出てくるんですよ。なかでも意識したいのが小指です」

 

そう話すのは、筋肉の構造に詳しく、“身体調律家”としても人気のトレーナー・木村祐介さんだ。

 

「“小指球筋”は“上腕三頭筋”、肩の“回旋筋腱板筋”、そして“肩甲挙筋”“菱形筋”といった肩甲骨まわりのインナーマッスルにつながっています。上腕三頭筋は腕の裏側にあり、とてもたるみやすいので“ふりそで”なんていわれますよね。小指に力を入れることで、まずここが引き締まります。そして、回旋筋腱板筋は肩のスムーズな動きをサポートする筋肉ですから、動きがよくなれば、五十肩の予防になります。さらに、肩甲骨まわりのインナーマッスルにスイッチが入ると、肩甲骨の動きがよくなり、肩コリが解消されます。それだけでなく、体幹が抜けにくくなる、つまり、安定するので姿勢がよくなり自然と肩が下がって首が長く、小顔に見えるようになるのです。小指を曲げてみるだけで、その連動性が感じられると思いますよ」

 

実際、“小指の力”は多くのスポーツに活用されているという。

 

「ゴルフのクラブは小指からにぎり、小指に力を入れるといいといわれます。自然とわきが締まり、余計な力みがとれ、力がクラブへとスムーズに伝わるんですね。これは、テニスのラケットも、相撲のまわしも同じこと。以前に横綱・白鵬関の練習風景を映像で見たことがありますが、小指からにぎってまわしをたぐり寄せるイメージトレーニングを繰り返していました。肉体の美しさを追求するバレエも小指を意識すると聞きますし、細く頼りなく見える小指ですが、うまく使うことで、私たちの体に思わぬ威力が発揮されるのです」

 

しかし、残念ながら、無意識のうちに親指に頼っている人が多い。たとえば今、ペットボトルやスマホを持ってみると、どうだろう? では、“意識的に小指を使う”には、どうすればよいのか。

 

「スマホでもバッグでも、物を持つときは親指を離し、小指を中心に使ってみてください。ただし、このとき親指が反る人は、使っていなくても力が入っている証拠。自然に伸ばすようにしましょう。そのほか、パソコン操作では、キーボードを打つときに親指を上げておく。筆記用具を持つときも、小指を軸にしてしっかり支えれば、親指は添えるだけで書くことができます。小指を使って親指を解放するーーこれを意識するだけで、かなり違います。続けていくうちに、体の変化が実感できますよ」

 

すべての筋肉に役目があり、バランスよく使うことが大切だが、まずは小指を意識することで均整がとれてくるだろう。さっそく習慣化することで、コリや不調を解消し、見た目年齢も若返らせよう。

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