まだまだコロナ禍の影響は深刻な影を落としてはいるものの、どこかから光が差し込んでいるような、そんな前向きな“気配”も感じられ始めた昨今。さらなる運気の上昇を呼び込むために、私たちは何を心がければいいのか。今こそ江原啓之さんの言葉に耳を傾けましょうーー。
「コロナ禍で長引く自粛生活のなか、『家の中がギスギスして耐えられない』『家計が不安で、押しつぶされそう』などの相談が寄せられます。つらい状況ではありますが、いまはこの苦難をはね返すパワーを身につけるときなのです」
そう語り始めたのは、スピリチュアリストの江原啓之さん。年始の本誌特集では、令和3年の生き方について「新型コロナウイルスがもたらした“天啓”をどう受け止めるかが試される年。“諦め”の姿勢から“破滅”に向かうのか、あるいはすべてを受け入れ、“楽に生きる”ことができるか。あなたの選択で未来は大きく変わる」と話してくれたが、それから7カ月が過ぎようとしている。
都市部では4度目の緊急事態宣言が発出されるなか、東京五輪が開幕。世の中が混迷を極める今、私たちはどう生きるべきなのか。
「前提として、1918年から世界的に流行した『スペイン風邪』は、約3年間続きました。ですから今回もそのくらい続くと覚悟したほうがいいでしょう。これを聞いて『あと1年も……』と絶望感を抱く人もいるでしょうが、暗く考えていては奈落へ沈んでしまうだけ。現実を受け止め、前向きに生きていくしかないのです」
辛抱はまだ必要だが、絶望せず、この時間をいかにしてよりよく生きるかが未来を決めるのだという江原さん。
「現代人は生きることを複雑化させすぎて、日々の暮らしを楽しむ余裕を失っていました。今こそ昔の人が営んでいた“丁寧な暮らし”を取り戻すチャンスなのです。たとえば、料理を盛り付ける器を工夫してみる。日々の着こなしを楽しんでみる。あるいはよい睡眠のために室内を整えるなど、小さなことから始めてみましょう。家にいる時間が増えたなか、楽しみ方はいくらでもあります。不幸の数を数えずに幸せの数を数え、毎日を豊かにしてください」
そうした意味で、江原さんがいま注目している人がいる。それは、中国のビデオブロガー、リー・ズーチー(李子柒)さん。四川省の山奥の農村から、伝統文化や暮らしを伝える動画が、ユーチューブなどで世界的な人気を呼んでいる“丁寧な暮らし”の達人だ。
「彼女が伝える世界観において特筆すべきなのは、決して華美ではないということ。『あれもこれも』は取り入れていません。『これが必要』ではなく、『これは私には不要だ』という、いわゆる“引き算”の暮らしを実践しているのです。いたってシンプルですがそこに知恵と工夫があります。暮らしを楽しむことは、すなわち人生を楽しむことなんです」