カレー鍋を洗うと、スポンジがカレーだらけになってボロボロ……そんな経験はないだろうか?
ツイッターでは、シェフで料理研究家の麦ライスさんが投稿した“カレーなどを作った鍋の洗い物でスポンジが死なずに済む洗い方”に約21万件の“いいね”が集まっている。それだけ多くの人が、食器の洗い方に悩んでいるのだ。
「洗い物の方法というのは、若いころに間違って覚えたことを、何十年もそのまま続けてしまっていることも多いんです。さらに、調理器具が進化している中、洗い方も変わっていく必要があります」
台所用洗剤の人気商品「チャーミーマジカ」を展開するライオンのリビングケアマイスター・杉本美穂さんはこう指摘する。
では、より楽で、よりきれいに洗える、正しい洗い方とはどのようなものなのか?
そこで今回、前出の麦ライスさん、杉本さんに加え、台所用スポンジなどのブランド「スコッチ・ブライト」を展開するスリーエムジャパン・技術担当の原井敬さんに、令和流・正しい食器の洗い方を聞いた。
【新常識1】フライパンは冷ましてから洗う
「調理後のフライパンは温かいうちに水洗いするほうがいいと思われがち。確かに、鉄のフライパンは、火からおろし汚れをぬぐった後に水洗いしてもよいです。しかし、フッ素加工のフライパンは、急激な温度変化で表面加工が劣化してしまう恐れがあるので熱いうちに水で洗うのは避けてください。どうしても洗いたい場合はお湯で洗うこと。ちなみに、フッ素加工フライパンは使用前の空だきも避けましょう」(ライオン・杉本さん)
【新常識2】洗剤は泡立てなくてもいい
「泡立てなくても汚れは落ちますが、スポンジに水をつけてから食器用洗剤をつけ5回ほどもんで、スポンジ全体に洗剤を行きわたらせたほうが、広い面で効率よく汚れを落とせます」(ライオン・杉本さん)。
「スポンジの1カ所に洗剤を垂らすより、まず水をつけてから洗剤を薄く広く塗るようにすると、洗剤が早く全体に行きわたります」(スリーエム ジャパン・原井さん)
【新常識3】野菜は食器用洗剤で洗える
「野菜はボウルにたっぷりの水をはり、ザルを入れて泳がせるように軽く洗います。砂は底に沈殿するので、ザルを持ち上げるだけで砂切りできます」(麦ライスさん)
「野菜などを洗うのに使える洗剤もあります。使えるものには、野菜・果物用などの表記がありますので、ボトルの裏面の表示をよく読んで使用してください」(ライオン・杉本さん)
【新常識4】プラスチック容器の臭い・ベタつきは傷が原因
「油と結びつきやすく、また傷がつきやすいプラ容器。研磨粒子付きのスポンジで洗うと傷がつき、そこに汚れが入り込んで、いつまでたってもベタつきや臭いが残る原因に。“研磨粒子なし”のスポンジで洗ってください」(ライオン・杉本さん)。
「細かな傷に水が残ると、菌が繁殖する恐れがあるので、プラ容器は洗ったらすぐに水分を拭き取りましょう」(麦ライスさん)
ふだんの洗い方を振り返り、家事の負担を減らそう!