「お金を貯めたいと思っても、全然貯められないという声をよく聞きます。たくさんのお宅を訪問して家計相談に乗ってきましたが、お金を貯められない人の共通点は『部屋が散らかっている』ということ。反対にお金が貯まる人は部屋がきちんとしています」
そう指摘するのは、『お金が貯まる人は、なぜ部屋がきれいなのか「自然に貯まる人」がやっている50の行動』(日本経済新聞出版)の著者で、ファイナンシャル・プランナーの黒田尚子さん。
部屋が片付いている人は、収納に収まる適正量がわかっているので、漠然と買い物をしたり、衝動買いをしたりすることがない。
どこに何が入っているかを把握していると、「あるのにまた買ってしまった!」という失敗がなくなる。日々の行動、買い物のクセや考え方をあらためることが節約につながり、お金が貯まるといった好循環が生まれてくる。
そこで、部屋を片付けられない人たちに共通する「NG習慣」を教えてもらった。
【買い物が好きで“衝動買い”をしてしまう】
散歩の途中で商店街やショッピングセンターに立ち寄ったら、あれこれ手に取ってしまうことはないか?
「買う予定がないのに買ってしまい、同じようなモノがいくつもある、というケースはよくあります。クローゼットに似たような服ばかりある、雑貨が好きでモノであふれている人は、片付けをして持ち物を把握することから始めましょう」(黒田さん・以下同)
冬物をしまうときに、着なかった服は処分。二度買いを防ぐためにも所有している服を全部把握しておこう。
【“スーパーのお総菜”をよく買う】
外食はしていないのに、食費がかかるという人は、テークアウトを頻繁に利用していないか?
「コロナでテークアウトを利用する機会が増えてきました。三度の食事を作るのが面倒なので、ついお総菜に頼ってしまいがちですが、食費がかかってしまいます。お金を貯めたいときは自炊が基本。冷蔵庫の在庫を常にチェックして食品ロスを防ぎましょう。特に、保冷剤が冷凍庫にたまっているという人は、スイーツをひんぱんに買っている“チリツモ消費”が多い証拠ですので控えましょう」
チリツモ消費の代表例のもう一つはビニール傘。外出先で天気が急変してつい安い傘を買ってしまい、それが玄関先にたまっていたら要注意。雨の季節は必ず傘を持ち歩くようにしよう。
【“ストック”がないと不安】
最近、地震が多いので非常食やミネラルウオーターを買う人も多いだろうが、買いすぎはNG!
「食品の値上げが相次いでいるので、食用油や調味料などを大量に買い込んでしまうケースもよく見かけますが、結局使い切れなくて捨ててしまうことがあります。必ず使い切る前に買う習慣をつけましょう」
一軒家は収納スペースが広いので、非常食やミネラルウオーターなどを把握できないほど買い込む傾向にあるので気をつけて。買い物習慣を見直して、今度こそ貯め体質になろう!
【PROFILE】
黒田尚子
ファイナンシャル・プランナー。講演や執筆、個人相談など幅広く行う。『お金が貯まる人は、なぜ部屋がきれいなのか「自然に貯まる人」がやっている50の行動』(日本経済新聞出版)など著書多数