お金に対する意識は高いつもりなのに“なぜか”預金残高が増えていかない……と嘆くあなた。その“なぜか”には明確な理由があります。無意識にやっている“お金が漏れ出す”生活習慣を改善すれば、今からでも“潤沢な老後資金” は夢ではないのですーー。
「お金を貯めたいと思っても、全然貯められないという声をよく聞きます。たくさんのお宅を訪問して家計相談に乗ってきましたが、お金を貯められない人の共通点は『部屋が散らかっている』ということ。反対にお金が貯まる人は部屋がきちんとしています」
そう指摘するのは、『お金が貯まる人は、なぜ部屋がきれいなのか「自然に貯まる人」がやっている50の行動』(日本経済新聞出版)の著者で、ファイナンシャル・プランナーの黒田尚子さん。
部屋が片付いている人は、収納に収まる適正量がわかっているので、漠然と買い物をしたり、衝動買いをしたりすることがない。
どこに何が入っているかを把握していると、「あるのにまた買ってしまった!」という失敗がなくなる。日々の行動、買い物のクセや考え方をあらためることが節約につながり、お金が貯まるといった好循環が生まれてくる。
そこで、部屋を片付けられない人たちに共通する「NG習慣」を教えてもらった。
【“SNS”をやりすぎる】
「いいね!」をもらいたいがために、喫茶店に行ってスイーツを食べる前に投稿した、なんてことも無駄な消費行動のひとつ。
「SNSで『いいね!』を欲しがる人ほど、“見え消費”をしやすくなります。外出先でコーヒーを飲むときにスイーツをひとつ買うと500円ぐらいあっという間に使ってしまうので、お金を貯めたいと思ったら喫茶店に入るのも控えましょう」(黒田さん・以下同)
【“体を動かすのが嫌い”で歩かない】
巣ごもりが長引いたせいでコロナ太りになったという人が増えている。
「家の中でゴロゴロして、定期的に運動しない人は生活習慣病にかかりやすく、医療費がかかってしまいます。サプリメントや健康ドリンクに頼らないで、食生活を見直しましょう。毎日ウォーキングをする習慣をつけるだけでも健康をキープできます。お金を貯めるためにも、生活習慣を見直しましょう」
【“家計簿を新年、新年度から”つけ始める】
毎月の収支を見るために、家計簿をつけることはとても大事なことだが、新年、新年度からスタートすると失敗する確率が高くなるという。
「市販の家計簿は1月や4月からスタートするタイプが多いのですが、1年のなかで支出が大きい月から始めてしまうと、レシートの内容を記入するのも大変なうえ、赤字がちなのでやる気がなくなってしまいます。スタートするなら2月、6月など支出の少ない月から始めると続けやすいでしょう」
生活習慣を見直して、今度こそ貯め体質になろう!
【PROFILE】
黒田尚子
ファイナンシャル・プランナー。 講演や執筆、個人相談など幅広く行う。『お金が貯まる人は、なぜ部屋がきれいなのか「自然に貯まる人」がやっている50の行動』(日本経済新聞出版)など著書多数