「いま、キャベツが安くなっています。都内の地域密着型スーパーでは100円、ネット通販で97円、埼玉の安売り店では85円で販売されていることも。例年よりも30%ほど安くなっているようです」
こう語るのは、生活経済ジャーナリストの柏木理佳さんだ。たしかに農業協同組合新聞でも、9月は出荷量が例年を上回り、価格が下回って推移することが予想されていた。
「今年は産地である群馬県などが好天に恵まれ、生育が非常によかったことが、安さの要因でしょう。値上がりばかりを実感する日々のなか、しばらくはキャベツが家計の救世主になるかもしれませんね」
安さばかりでない。栄養にも注目したいというのは、管理栄養士で料理研究家の松尾みゆきさんだ。
「ビタミンUというビタミン様物質が含まれています。別名・キャベジンといわれ、薬の名前でも知られているように、胃の粘膜の修復を助ける作用があります」
しかし、いくらキャベツが安くて栄養があるといっても、1玉ともなると、なかなか使いきれない。
「生で食べようとすると、難しいかもしれません(笑)。でも、火を通すと甘味が増してしんなりするので、4分の1玉くらいなら軽く食べられるんです」(松尾さん)
そこで、簡単に作れて家計にも優しい、1玉まるごと使った絶品レシピを松尾さんに考案してもらった。
「『豚バラとまるごとキャベツの酒蒸し』は豚バラを多めに使うので、おかずに最適です。
『ざく切りキャベツのスープ煮』は、具だくさんの野菜スープというイメージ。どちらも大きい鍋で調理してください」(松尾さん)
半端なキャベツが冷蔵庫にあった場合は?
「『キャベツの韓国あえ』は、ポリ袋にごま油大さじ1、醬油小さじ1、いりごま小さじ1、塩少々を入れて混ぜ、キャベツ3〜4枚をざく切りして加え、さっくりと全体を混ぜ、10分ほど置いてできあがりです。焼き肉店のお通しのような一品です」(松尾さん)