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秋が深まり、スーパーに並んだ旬の食材が、食卓を彩っている家庭も多いはず。でもじつは、私たちは身近な食材を無意識のうちに“ムダ”にしているかもしれないという。

 

「皮のむきすぎや切りすぎなど、本来食べられる部分を捨ててしまうことを『過剰除去』といいます。『食べ残し』と『直接廃棄』と並び、家庭から出る食品ロスの3大要因のひとつです」

 

こう説明するのは食品ロスを専門に研究する日本女子大学教授の小林富雄先生。京都市が算出したデータによると、家庭での食品ロスの金額は年平均5万6000円。環境省のデータによれば、食品ロスのうち過剰除去が55%を占めるため、単純計算で年3万800円をムダにしていることに。

 

そんな過剰除去に着目した刃物メーカーの貝印は、ムダの出ない野菜の切り方を紹介するWEBサイト「やさしい切りかた辞典」を開設。監修した食品ロスアドバイザーで料理研究家の島本美由紀さんは「食材の切り方を変えるだけで、食品ロス削減になる」と話す。

 

10月はちょうど「食品ロス削減月間」。過剰除去を減らすと、食品ロス削減以外にもメリットが。

 

「野菜の皮や先端部分には、豊富な栄養が含まれていることがあり、切りすぎを防ぐことで栄養素をとりこぼさず摂取できるのです」

 

こう語るのは栄養士の今井真理子さん。さらにこんな効果も。

 

「可食部分が増え、買い物の頻度が減ります。しかも、捨ててしまっていた部分でもう一品作れることもあるんです」(今井さん)

 

そこで、“いいことずくめ”な食材の切り方を教えてもらった。

 

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