焼きみかんをご存じだろうか? 昔は火鉢などで焼いて食べていて、風邪をひきにくくなるとされてきたが、今では常食している人は少ないかもしれない。
でも、この焼きみかん、通常の生鮮みかんよりもおいしくなり、栄養成分もしっかり体内に取り入れられるのだ。
栄養士で食のアドバイザーの成田和子さんはこう話す。
「みかん(スーパーなどで一般的に販売されている温州みかん)の栄養成分で特に強調したいのが、β-クリプトキサンチンです。β-カロテンの仲間で骨代謝の増強効果が認められているものです。骨粗しょう症の予防に効果的なんです」(成田さん・以下同)
国内の骨粗しょう症の患者は、全人口の約10%、約1千300万人いると推定されている。50歳以上の女性の4人に1人が骨粗しょう症とも。
「静岡県浜松市三ヶ日町の住民を対象とした栄養疫学研究では、血中のβ-クリプトキサンチン濃度が高い閉経後の女性は、骨粗しょう症を発症する危険が低いことが明らかになりました。
血中β-クリプトキサンチン濃度が低い人に比べて、高い人では骨粗しょう症を発症するリスクが92%も低くなる結果が出ているんです」