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「35歳でマイホームを買ったときに、家電を新しく買いそろえたんですが、50歳になった今、冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機が次々に故障しています。家電は一日でも使えないと困るものばかりなので、セールでもない時期に慌てて買う羽目になってしまって、ちょっと損した気分でいます」

 

読者から寄せられたこんな声に、家電ジャーナリストの安蔵靖志さんが答える。

 

「家電の耐用年数は、おおむね10年前後で、長くても15年ほど。家を購入したり、結婚を機に家電を一新するので、買い替え時期が50代に押し寄せる人は多いと思います。ただ家電は“壊れた時が買い替え時”と考えがちですが、それではセール時期を逃してしまうこともあるし、半導体不足によって納入が遅れてしまうこともあります」

 

こうした状況に陥らないためにも、家電の不調を感じたら、購入の準備を進めておくことが大事だ。

 

「冷房なら冷えにくい、洗濯機なら水漏れをしてしまうなどの前兆があります。冷蔵庫の場合、いちばんガタがきやすいのが製氷機。氷がうまく作られないようになれば要注意です」

 

もちろん“使えるのに、買い替えるなんてもったいない”と思ってしまうが、古い家電を我慢して使い続けるよりも、新型に買い替えれば、日々の電気代が安くなる場合が多いのだ。一般財団法人家電製品協会の調べによると、冷蔵庫(401~450リットル)の場合、10年前の製品と比べると、年間の電気代が最大7000円も安くなる。

 

「小型冷蔵庫は電気代がかかるため、省エネ効果を得やすいのは400リットルを超える大容量冷蔵庫です。エアコンの場合は、かつては“電気食い家電”という汚名がありましたが、各企業が努力を重ね、10年前の製品でもかなり優秀です」

 

それでも10年前の製品に比べ、新型だと年間2850円ほど電気代が節約できるのだ。

 

「量販店では、消費電力や電気代の情報も得られるので、店員に聞いておきましょう」

 

ならば、いつ買い替えるのがベストなのか。

 

「家電量販店では、夏、冬のボーナス商戦、年末商戦、各量販店ごとに設けられている『決算セール』などが一般的です。新製品をセール以外の時期に購入するなら、発売時期から3カ月後がポイント。1~2割ほどガクンと値段が下がり、その後、次の新製品の発売までゆるやかに値段が下がっていきます」

 

さらに得をしたいなら、新製品にこだわらず、一つ型落ちを狙うことだ。

 

「マイナーチェンジであれば、機能の違いもたいしてありません。ベストな購入時期は、次の新製品が発売される1カ月前です(表参照)。たとえば大型冷蔵庫の春の新製品の発売時期は3~5月なので、在庫の現行モデルは2~4月に一気に安くなります。4割引き、5割引きは当たり前で、18万円のオーブンレンジが、安売り時期の5~7月で10万円を切ったり、38万円のドラム式洗濯機が、安売り時期の8~10月に20万円を切ったりすることも」

 

ただし、エアコンに関しては、新製品の発売時期とは関係なく、購入時期は6月ごろがベスト。

 

「4月10日は『エアコンの試運転の日』とされています。暑い季節が来る前に、不具合がないか調べておくことです。設定温度を下げて、しっかり部屋が冷えるか、またカビ臭い空気になったりしていないかチェック。買い替えるならば6月くらいをめどにすること。7月に入り暑くなると、一気に需要が高まり、エアコン設置工事で待たされることになるんです」

 

また、複数の家電を購入する場合は、量販店に設置された「まとめ買いコーナー」などで頼むと、さらに割引も期待できるとか。

 

「量販店での買い物のときは、他店の価格情報などもネットショッピングサイトから調べることができます。それを見せることで、他店と同等以上に安くしてくれたり、ポイントをつけてくれたります」

 

主婦にとって身近な冷蔵庫と洗濯機で、安蔵さんおすすめの製品も教えてもらった。安買い替えカレンダーを活用して、家電をお得に買い替えよう!

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