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2月は5000品目以上の食品・飲料の値上げが予定され、消費者物価指数(’22年12月)は16カ月連続の上昇。なのに給料は、物価変動の影響を考慮した’22年の実質賃金が前年より0.9%下落しました。物価は上がり続け、給料の伸びが追いつきません。

 

家計の困窮が広がる今、“ムダ遣いの撲滅”が喫緊の課題です。特に銀行の手数料など、使い方を工夫すれば無料で済むものにお金を使うのは絶対に避けたいところ。とはいえ近年は、硬貨の入出金や紙の通帳など今まで無料だったサービスが有料化され、手数料負担が重くなりました。なかでも高額なのが振込手数料。メガバンクの場合、他行あての3万円を超える振り込みは、ATMの手数料が330円。窓口だと770~880円です。

 

そこで、「ことら送金」を利用してみませんか。ことらはスマホを使った個人間の少額送金サービスで、みずほ銀行、三井住友銀行、三菱UFJ銀行、りそな銀行、埼玉りそな銀行の5行が出資し運営しています。1回10万円までの送金ができ、手数料は無料。’22年10月に先の5行を含む20行でサービスを始め、現在利用できる金融機関は31行まで増えました。

 

さらに’23年度中には、住信SBIネット銀行やGMOあおぞらネット銀行などのネット銀行4行と地方銀行26行、全国170の信用金庫の参加が決まり、利用可能な金融機関は230を超えます。使い勝手が向上するでしょう。

 

■スマホ一つで送金

 

振込手数料から解放 ことら送金を使うには、自分の口座をネットバンキングに登録し、銀行ごとに対応するアプリをダウンロード。送金する相手を、電話番号、メールアドレス、口座番号のどれかで特定できれば、スマホ一つで、いつでもどこからでも送金できます。

 

たとえば友達との割り勘では、口座番号を聞かなくても電話番号だけで送金できます。小銭が足りないなどと悩むこともありません。離れて暮らす家族への仕送りなども、自宅から夜間でもOK。こうした送金はスマホ決済でもできますが、たとえばPayPayなら、送ったお金はPayPay残高に組み込まれPayPayでしか使えません。ことら送金は銀行口座に入金され、現金化できるのが大きなメリットでしょう。

 

また、習い事の月謝や積み立てなどで、毎月、給与が入るメイン口座から別の銀行口座に預け替える人が意外と多いのでは。ことら送金なら、送金先に自分の別口座を指定するだけ。忙しい合間を縫って銀行に行く面倒から解放されます。

 

現在メガバンクの普通預金だと、100万円を1年預けても利息はわずか10円(税引き前)。振込手数料を330円払ったら、33年分の利息が吹き飛びます。こんなもったいないことはありません。ネットバンキングは慣れれば簡単です。家計を守るため、ことらなどネットバンキングに挑戦を。

経済ジャーナリスト

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