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カード決済の「LINE Pay」は2025年4月末でサービスを終了すると13日に発表しました。

 

LINE Payは2014年12月にサービスを始めました。当初は通信アプリ「LINE」の“友だち”に、手数料無料で送金できることが「割り勘に便利」などと話題になりました。

 

当時日本は“キャッシュレス後進国”でした。2016年のキャッシュレス決済比率は世界トップクラスの韓国が96.4%で、日本は19.9%。国は2025年までにキャッシュレス決済比率を40%にする目標を設定したのです。

 

その後コロナ禍もあり、コード決済などが急速に広まりました。2023年のキャッシュレス決済比率は39.3%です。LINE Payも2024年5月時点の登録者数は4千400万人超だといいます。

 

ただMMD研究所による調査では、利用するコード決済の1位はPayPay、以下楽天ペイ、d払い、auPAYと続き、LINE Payは7位です。また、メインで利用するコード決済は上位4社が93.2%を占めていて、LINE Payは厳しい状況が続いています(2024年4月)。

 

■サービス終了までに残高を使い切るのが確実ですが…

 

2021年3月には、LINE Payを運営するLINEと、PayPayを運営するZホールディングスが経営統合。同じグループ会社にコード決済が2つ存在することになりました。そのころから噂されていた「いずれはPayPayに集約」が現実のものになったということでしょう。

 

特に新しいサービスでは、一時的に実施企業が乱立し、その後経営統合や再編成などが進む傾向があります。コード決済サービスも過渡期を迎え、LINE Pay以外にも消滅するものがあるかもしれません。

 

企業が淘汰され整理された後は利便性が向上することが多いのですが、今は自分のお金を守ることを第一に考えましょう。

 

LINE Payの利用者は、まず残高の確認を。2025年4月末のサービス終了までに、残高を使い切るのが簡単で確実でしょう。

 

ですが、端数などが残った場合は、LINE PayからPayPayに残高を無料で移行できる仕組みが2025年2月末をめどにリリースされる予定です。忘れずにチェックしましょう。

 

今すぐに手を打ちたい方には、銀行口座に送金する方法があります。LINEアプリに預金口座を登録して、スマホで金額を入力するだけで簡単です。ただし1回176円の手数料がかかります。わずかな残高なら手数料がもったいない。やはり2025年2月末の移行方法を待つのがいいでしょう。

 

なお、混乱する時期に注意したいのは詐欺です。コード決済は危ないと脅したり、うまい話があるとそそのかしたり、詐欺師があなたをねらっているかもしれません。 知らない番号の電話には出ない、お金を動かすときは家族に相談するなど、くれぐれもご用心を。

経済ジャーナリスト

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