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《広末は、“双極性感情障害”および“甲状腺機能症”と診断されました。当面の間、すべての芸能活動を休止し、心身の回復に専念いたします》

 

5月2日、広末涼子(44)の所属事務所は公式ホームページ上でこのようなコメントを発表した。

 

「彼女は先月、静岡県内で追突事故を起こしたうえ、搬送先の病院で看護師に暴力を振るい、傷害容疑で逮捕されました。処分保留で釈放されたものの、その後、医療機関で受けた検査で、冒頭のように診断されたんです」(芸能記者)

 

双極性感情障害または双極性障害とは、テンションが高い“躁”状態と、気分が非常に落ちこむ“うつ”状態を交互に繰り返す精神疾患のことをいう。いっぽう、甲状腺機能亢進症は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気で、神経過敏や睡眠障害、躁うつ症状など、精神疾患に似た症状を引き起こすという。

 

「事故直前に立ち寄ったサービスエリアでは、見知らぬ客に『広末でーす!』と声をかけるなど異様なテンションの彼女が目撃されていました。一連の事件も、2つの疾患が影響していた可能性があります」(前出の芸能記者)

 

一歩間違えれば、人生を破綻させかねない双極性障害。じつは、更年期の女性も要注意なのだという。

 

■うつ病や更年期症状と誤診されることも…

 

「双極性障害の発症年齢で多いのは20~30代です。ただ、更年期にうつ症状がひどくなり、受診したらじつは双極性障害だったという“隠れ双極性障害”の方は少なくありません」

 

そう警鐘を鳴らすのは、メンタルと睡眠が専門の上島医院(大阪府大阪狭山市)院長・渥美正彦さん。

 

「うつ病と双極性障害の大きな違いは、テンションの高い躁状態があるかないか、です。うつ病の場合は、気分の落ち込みだけですが、双極性障害の場合は、うつと躁状態を繰り返します」(渥美さん、以下同)

 

しかし、患者本人は、自分が躁状態にあるとき、それを自覚できていないケースが多いという。

 

「うつ症状がひどくなって初めて受診する方が多いのですが、躁状態があることを見逃され、うつ病と誤診されるケースがあります」

 

本人が、躁状態にあることを自覚できないのは、活動的で自信がみなぎっているので「いまは絶好調!」と思い込んでしまうため。それを医師に報告すべき異変だと思わないのだという。しかし、ここでうつ病と誤診されると、抗うつ剤が処方されて適切な治療が受けられず、症状が悪化しかねない。

 

また、個人の判断で婦人科を受診し更年期症状と診断されてしまうケースもしかりだ。

 

このように、リスクが高いうえに自覚しにくい双極性障害だが、発症するきっかけはあるのだろうか。

 

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