スーパーから米が消える一方、野菜コーナーが久しぶりに盛り上がっている。100円前後という奇跡的な価格が見られるのは今だけかも(写真:IYO/PIXTA) 画像を見る

食品売場が騒がしい。米の価格高騰は歯止めがかからず、一時は価格上昇が止まったものの、まだ昨年の2倍以上の水準で家計を圧迫し続けている。

 

一方で、冬に話題となった“キャベツショック”はどこへやら。高騰が続いていた野菜の価格が大幅に下がっているのだ!

 

「昨年から続いていた高値は終焉を迎え、5月に入ってからは平年並み、もしくはそれ以下の水準に落ち着いています。特に大きく値下がりしているのは、レタスや白菜などの葉物野菜です。ここまでの値下がりには、正直、私たちも驚いています」

 

こう話すのは埼玉県で4店舗を展開するスーパー「マルサン」の青果担当・板清英樹さんだ。

 

同店のチラシを見ると、年明けには1玉およそ400円近くで売られていたレタスが、なんと90円という奇跡的な価格で販売されている。さらにキャベツは1玉150円、なすは5本入りで150円、ピーマンは1袋85円など、どれも財布に優しい価格だ。(いずれも「マルサン」5月12日週の価格)

 

安くなる見通しのない米に対し、野菜が家計の味方となり、胸をなでおろしている人も多いだろう。それにしても、なぜここまで安くなったのだろうか。

 

「要因は2つあります。1つ目は、4週間前から、野菜にとって最高の天候が続いたことですね。晴天と雨がうまく繰り返されて、野菜がよく育ちました。

 

もう一つは、品種の入れ替えタイミングです。季節によって生産地が変わることを『野菜の産地リレー』と呼ぶのですが、今年はそのリレーがうまくつながったんです。春野菜から夏野菜に切り替わる時期と好天が重なったことで、市場に多くの野菜が出回り、価格が下がっているというわけです」

 

葉物野菜に関しては、「これ以上価格が下がると、物流コストとのバランスで出荷制限がかかるかも」というところまで安くなっている――。

 

ここまで野菜が安くなっている今は、昨年の倍以上となっている米の価格で圧迫された食費を、挽回できるまたとないチャンス!

 

そこでおすすめしたいのが、たっぷりの野菜とご飯を一緒に食べる“かさましご飯”だ。

 

農林水産省が発表した全国のスーパーで販売されたコメの平均価格は、5キロあたり4,268円。これをもとに計算すると、お茶碗1杯(約150g・精米65g)はおよそ55円になる。野菜を増やす代わりにご飯の量を3分の2に減らした場合、1カ月2,270円もの米代の節約になる(夫婦2人が1日2杯ずつご飯を食べる場合)のだ。

 

今回、管理栄養士の稲尾貴子さんに教えてもらったかさましご飯のアイデアは、平年比より安くなっているキャベツ、レタス、ブロッコリーなどの野菜を使ったメニュー。ボリュームも栄養も満点なので、ご飯の量が減っても、さほど心配はいらない。

 

最初に稲尾さんがおすすめしてくれたのは、食べ応え抜群の「シャキシャキ焼き肉ライス」だ。

 

「かさが増すのはもちろんですが、キャベツにはビタミンCとU、ピーマンにはビタミンCとカロテンが豊富です。さらに、ビタミンCは牛肉に含まれる鉄分の吸収を助けます」(稲尾さん、以下同)

 

女性が取りたい栄養素が、豊富に含まれているのはうれしい。

 

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