経済ジャーナリスト・荻原博子さん(写真:本誌写真部) 画像を見る

まだ5月ですが、熱中症が増えています。5月4~10日の熱中症による救急搬送者は、昨年同時期の1.8倍となる454人にのぼりました。気象庁によると、今夏は全国の7~14地点で40度以上の「酷暑日」になるようです。猛暑がまたやってきます。

 

猛暑で怖いのは熱中症です。予防にはエアコンが欠かせませんが、問題は電気代の値上がりです。

 

4月は国の電気補助金が切れ、大手電力は全社で値上げしました。

 

5月は再生可能エネルギー普及のために私たちが負担する「再エネ賦課金」が最高値に上がります。

 

6月はイランでの軍事行動開始から3カ月、高騰する原油高の影響が本格的に現れます。野村総合研究所によると、原油価格が平均3割高になると電気代は約6%上昇。4人家族なら月792円、年9千500円上がると予測します。

 

そのうえ「2027年問題」も。

 

2027年4月から省エネ基準が17年ぶりに改定され、基準を満たさないシンプル機能の安いエアコンは販売されない可能性があります。

 

そのためすでに駆け込み需要が起きていますが、2027年以降も今のエアコンを使い続けることに問題はありません。まだ使える状態ならしばらく大切に使って、価格が落ち着いてから買い替える手も。

 

■30分程度の外出ならつけっぱなしが常識

 

買い替えたい人は、昨年以前に発売された「型落ち品」や初期不良品などをメーカーが新品同様に修理して販売する「リファービッシュ品」、外装不良などの「アウトレット品」なども探してみて。

 

「東京ゼロエミポイント」など家電の買い替えに補助金を出す自治体が多いです。使える補助金はもれなく活用してください。

 

なにより大切なのは節電です。今のうちにエアコンの室外機まわりを掃除し、よしずやグリーンカーテンを作るなどの準備を。春に子どもの独立などで家族構成が変わった人は、電気の契約アンペアや利用プランを見直しましょう。

 

近年、電気の常識は変わっています。エアコンは「30分程度の外出ならつけっぱなし」がおすすめ。エアコンは起動時にもっとも多くの電力を使いますから、オンオフを頻繁に繰り返すのはNGです。

 

さらに、起動時の電力消費を抑えるため、外出後はまず窓を開け換気を。その間に自分を冷やしましょう。夏場は冷蔵庫に濡れタオルを常備して首や体をふいたり、水風呂に入ったり。その後、窓を閉めてエアコンをつければ、電気代が高くつく強冷や急冷モードにしなくても涼しくなります。

 

電気代高騰の一因はイランでの軍事行動ですが、ほかにも、世界中でしのぎを削るAI開発は大規模なデータセンターが必要で消費電力は膨大です。今後は電力の奪い合いが起き、戦争が終わっても電気代は下がらないでしょう。

 

猛暑に向けて、国には電気やガスの補助金は必須だと申し上げたい。そのうえで、電気代高騰時代を生き抜くために、節電習慣を身につけることが肝心です。

 

【PROFILE】

おぎわらひろこ

家計に優しく寄り添う経済ジャーナリスト。著書に『65歳からは、お金の心配をやめなさい』(PHP新書)、鎌田實氏との共著『お金が貯まる健康習慣』(主婦の友社)など多数

 

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