「ダイエットの目標は、落とした体重をキープすること。簡単なことなのですが、それがなかなかできない。ダイエットの成功率って、じつはたったの20%なんですよ。挑戦した80%の人が、失敗に終わっているんです」
そう語るのは、予防医学の研究者で医学博士の石川善樹さん(33)。石川さんは東京大学医学部を経て、ハーバード大学公衆衛生大学院を修了。大学時代から15年もの間、ダイエットの研究に取り組んできた人物だ。そんな石川さんが、「リバウンドしない減量法」を考案した。
「パーソナルトレーナーや管理栄養士が管理してくれれば、ダイエットの成功率は格段に上がります。でも、時間もおカネもかけられない人がほとんどですよね。僕が開発したウエート・シミュレーターでは、体重変動の方程式を用いた『Di(ディー)理論』により、『減量期』と『維持期』を自分で把握し、管理できるようにしました。具体的には、個人データと日常の活動量、目標体重と目標の日数を入力すれば、その人にあったカットすべきカロリー量、消費するべきカロリー量などがわかるようになっています」
減量期とは、短期間の食事制限で体重を落とす時期。維持期は、文字どおり落とした体重を維持する時期だ。石川さんに、「Di理論」に基づいたそれぞれのポイントについて聞いた。
【1】「自分がなぜ太ったのか」という原因を確認する
「太る原因は、お酒、テレビ、睡眠不足の3つが大きいんです。アルコールが入ると、人は理性がきかなくなるため、つい食べすぎてしまいます。テレビをダラダラ見ていると、口寂しくなって、無意識に何かを食べがち。そして睡眠不足は、食欲を抑えるホルモンを減少させ、逆に促進させるホルモンを増やします。これらの相乗効果で、摂取カロリーが増えてしまうのです」
【2】減量期の期間を1カ月程度に決める
「週に1キロ落として、1カ月で約4キロの減量。そのくらいがちょうどよいかと思います。また、女性は生理前には栄養をため込みやすいため、生理が終わるころから始めたほうが、痩せやすいですね。痩せてキレイになったら何がしたいのか、などを決めておくのもおすすめです」
【3】3時間に1回の“ちょこっと食い”で食欲を調整
「食事の間隔が開きすぎると、次の食事のときに血糖値が急上昇し、余った血糖が脂肪に変わってしまいます。3時間に1回、120キロカロリーくらいのものを食べると、血糖値が急上昇することなく、急な食欲でドカ食い、というのも防げます。生のフルーツ、ヨーグルト、ナッツ類を“ちょこっ”と食べましょう」
【4】減量期の1カ月だけは、とにかく誘惑を避ける
「飲み会は行かない、用もないのにコンビニに行かない。ふだんの食事では、糖質を少なめに。野菜も大切ですが、タンパク質は満腹感が出ますので、肉や魚などを積極的に取りましょう。食べる以外のストレス解消法を持っておくといいですね」
こうして苦節1カ月、なんとか体重を落としたら、いよいよ「リバウンドしない」維持期へ突入だ!
【5】日常生活にプラスアルファで、十分に活動量を増やす
「家事や子育てで忙しい主婦の方なら、まずは家の中でもできることを。たとえばシーツを洗う回数を増やせば、干したり、畳んだりで、かなり体を使いますよね。ふだんの家事を丁寧にするだけでも十分なんですよ」
【6】CM中は立ってテレビを見る
「時間を決めてテレビを見れば、ほかにできることも増えます。メリハリのある生活をすることで、活動量は飛躍的に増えるもの」
【7】日常に楽しいイベント、刺激を増やす
「休日は、家族でモーニングを食べに出かけたり、家族で旅行したりするのもいいでしょう。外出すると、意識せずとも歩く時間が長くなり、結果として運動になります」
減量はできても、その体重がキープできないアナタ。自分にとって楽しく続けられる何かを見つけて、リバウンドとおさらばしよう!