「色白・色黒を決めるのはメラニン色素。人種によって肌の色が違うのは、メラニン細胞の数ではなく働き方の違いです。同じ日本人でも日焼けしにくい人とすぐ黒くなる人がいるのは、メラニン細胞の活性度に個人差があるからなんですね」
こう語るのは、順天堂大学医学部教授で自律神経研究の第一人者・小林弘幸先生だ。日焼けやシミが気になる夏の終わりに、美白・美肌を脅かす意外な原因について教えていただいた。
お肌のタイプは基本的に4つに分けられる。色白で透明感のある理想型。色白だがくすみがあるタイプ。色黒だけどツヤがあり健康的に見えるタイプ。そして、色黒でくすみ肌。色白な人はメラニン細胞の働きが弱く、紫外線に触れてもあまりメラニン色素が作られない。メラニン色素の働きが活発で、すぐに黒くなるのが地黒な人、ということ。
ただ、どちらのタイプも紫外線には要注意だ。DNAを破壊し、皮膚がんの原因にもなる。地黒な方も紫外線を防ぐことで、メラニン色素の生成が抑えられる。しかし、それだけでは本当の美白・美肌にはなれないというのだ。
「きれいな肌色は、血液の質によって決まります。とくに顔の表皮は大変薄く、その下を流れる毛細血管の血液の色が、そのまま顔色として反映されてしまうのです。新鮮できれいな赤い血液が流れていれば顔色は美しく、黒ずんだ血液が流れていれば顔色はくすんでしまいます」
お肌のタイプでくすみがある、という人はこの血液の状態によるものがほとんどだろう。さらに美白・美肌を脅かす意外な原因とは……。
「砂糖を取りすぎると血液はドロドロになります。砂糖には血液を酸化させる作用があり、これによって血の色もどす黒く変色してしまいます。そして、砂糖水のように流れも停滞。これでは当然、肌もくすんでしまいますね」
では、きれいな血液を作るもとはなんでしょう?
「答えは、緑色の野菜と青魚です。ほうれん草や小松菜など、緑色が濃い葉もの野菜に多く含まれる葉緑素には血液浄化作用があり、その主成分であるマグネシウムは鉄に変化、血は明るい赤になり、文字どおり血色がよくなるのです。青魚のEPAとDHAの血液サラサラ効果は、もうおなじみですね」