「20代のころは、お化粧するのは顔だけと思っていました。30代になるとスキンケアの意識がさらに変わり、デコルテもケアをするようになり、50代の今は、“全身が顔”と思うようになりました」
59歳を迎えた今もなお、自然体で輝く萬田久子さん。メークとスキンケアの軌跡を本誌に教えてくれた。幼少期から、化粧品に興味があったという萬田さん。19歳でミス・ユニバース日本代表に選ばれ、初めてプロのメークを経験した。
「『自分の顔じゃない』と思うほど美しく仕上がってうれしかったですが、自分ではそのメークを再現することはできませんでした。世界大会で見た海外の美女に影響されて、私も彫りを深く見せようと、シャドーをどんどん濃くするようになっていったんです」(萬田さん・以下同)
当時は濃いメークもはやってはいたが、女性マネージャーから女優デビューする際に「ケバケバしいメークはあなたのよさを消してしまう」と諭された。素顔でオーディションに行くと次々に仕事が決まったという。
「化粧品の情報がたくさん入ってきて……。少しでも『いい』と言われると、なんでも試しましたね。高級ブランドの化粧品も使っていました」
ただ仕事が忙しくなるにつれ、肌の不調を感じるようになった。
「当時はオンとオフの使い分けが上手にできなかったの。睡眠不足が続いていて、ドーランを塗ると、強い照明の刺激で、肌がヒリヒリするようになったんです。でもそのときは、化粧品をさらに塗って、なんとかごまかそうとしていました」
そんなときに出合ったのが今も使い続ける美容オイル、高品位「スクワラン」(HABA)だという。
「人は心がつかれたとき、優しいものが身に染みますよね。疲れた肌に、刺激もなく弱った肌を優しく守り包みこんでくれる。まさに“恋人”と巡り合ったようでした。顔にはオイル一滴で十分。いつも持ち歩いています」
あるヘアメークさんの一言も、萬田さんに影響を与えた。
「当時のマネージャーが『このコは素顔がきれいなので、あまりお化粧しないで』とお願いしたら、その人は、『ナッシングとナチュラルは違います』と。なにも手入れをしないことと、自然体メークは違うということ。この言葉を今も大切に守っています」
そんな、萬田さんの肌の手入れ法とは……。
「まずしっかりと洗顔して、優しく汚れを浮かします。そして26年間愛用しているHABAの化粧水、Gローションと高品位『スクワラン』で保湿。オイルは顔、デコルテをはじめボディクリームにも入れて全身をケアします。潤いが肌をベールして守ってくれる感じになります」
メークでも自然体を心がけている。ファンデーションには特に気を使う。
「50代はしみ、くまも出てきますよね。それを“隠す”のではなく、カバーしていく気持ちです。ポイントメークは“引き算”で決めています。たとえば、赤い口紅を塗りたいときには、目のシャドーやラインなどをあえて薄くします。“全身が顔”と言いましたが、洋服を着て全身のバランスを見てから、口紅を選ぶんです」
昨年12月、ホノルルマラソンを完走した萬田さん。美への意識を高める方法として、自分だけの“美化・風紀委員”を探してみたらと提案する。
「私の筋トレのパーソナルトレーナーが若い男性なんですけど(笑)。たとえばそんなふうに自分を見てくれたり、ジャッジしてくれる男性の存在を、自分の美化・風紀委員として、ひそかに決めてみるのも、心に張りがでますよ。化粧品は生き物です。不調で肌の調子が悪いなら、『お疲れさま。どうケアしようか?』と、対話してみてください。“おっくう”になってしまうこともありますが、ナッシングにはならないでほしいです。同世代の女性には、ぜひナチュラルなメークで美しくあってほしい。みんなで一緒にキレイになりましょう。新50代この指と~まれ!」