「32歳のとき70代の肌年齢と診断されたときは大ショックで。このことをきっかけに肌トラブルを根本から解決したいと『顔筋ひっぺがし』メソッドを考案しました」
ツヤのあるハリ肌で柔らかくほほ笑むカリスマ美容家の那賀洋子さん(52)。いまは肌年齢29歳と診断され、数千人の女性の肌年齢をマイナス15歳若返らせている。
「小顔になった」「目がパッチリになった」と喜びの声も寄せられるが、かつてはご自身が乾燥肌でほうれい線くっきりの老け顔だったという。
「乾燥しいたけのような状態でした(笑)。改善しようと高額な化粧品を塗り重ねるほど悪循環で、老廃物がたまりにたまっていたんです」
そんななかで転機は「美容整形に行こう」と思い、肌に何もつけない数日を過ごしたときのこと。
「塗らないと肌にうるおいが蘇ることに気づきました。それからは塗り重ねるのではなく、引き算の思考で減らす努力をしました」
乳液は肌を油でコーティングしてしまうようなもの。代わりに水分を豊富に浸透させ内側から皮脂を出すことで肌のうるおいを蘇らせる理論にたどり着く。さらに肌の自己回復力について独自の研究を重ね、極めた方法が「顔筋ひっぺがし」メソッドだったというから、私たちもぜひ実践してみたい。
■準備運動
【1】老廃物の出口、鎖骨を開こう! 親指と人差し指で鎖骨をつかみ、内から外へ左右ともに10回滑らせる。
【2】人さし指と中指で鎖骨を挟み内から外に左右10回滑らせる。
【3】2本の指を胸の谷間より少し上に当て、5回下に動かす。
■頬のひっぺがし3ステップ
【1】肘をテーブルにつきこぶしを作り、人さし指の第二関節を口角に当て、目尻に向かい3往復半ジグザグに「レ」を書くように頬をほぐす。体を前傾し体重をかけると効果的。片頬ずつ行おう。
【2】両肘をテーブルにつき、両手を鼻と口の横に添える。手に体重をかけながら、頬全体にアイロンをかけるように耳まで1回滑らせる。
【3】【2】で耳まで滑らせた手をこぶしにし、指の第二関節と付け根の間を耳の後ろに当て、そのまま鎖骨へとこぶしを1回滑らせる。
〈仕上げの耳回し〉親指と人差し指で耳の付け根をしっかりつかむ。前と後ろに15回ずつ耳を回す。血流をよくし、老廃物が流れやすくなる!
「表皮に摩擦を加えるとシミやしわの原因になるので深部にグッと働きかけること。準備運動と仕上げで老廃物をきっちり流しましょう」
ラジオ体操の要領で、顔も毎日動かすことで「筋膜」にアプローチし目覚めさせていくのがコツだ。
「筋膜とは、血管や筋肉など体のあらゆる部位を包む薄い膜のこと。コラーゲンとエラスチンでできていて柔らかいのが特徴です。ですが長年動かさないと萎縮し、硬くなり老廃物をため込みます。この硬い筋膜を癒着した皮膚からひっぺがすには当然痛みを伴いますが、本来の柔らかい状態に戻すので蘇り効果が得られるのです」
肌はそうっと優しく、というイメージがあるが、筋膜は激しく鍛えるとヒートショックプロテイン効果で新陳代謝を高めターンオーバーを促進するのだ。
「まずは3カ月を目安に。シミやしわが薄くなるなど若いころの自己回復力を取り戻します」
那賀先生のようにファンデーションいらずのツヤ肌目指して自宅で顔トレに励んでみよう。