■コロナ禍で胃腸に異変の見られる人には黒こしょうを
ただ、高カカオチョコは甘味が弱めなので、味が単調になりやすい。そこで味のバリエーションを出してみようと、今回提案したいのが、「チョコ+スパイス」。チョコにさまざまなスパイスをふりかけて食べる方法だ。
スパイスは味のアクセントになるだけでなく、嗅覚にも働きかけ気持ちを上向かせるなど、メンタルへのよい影響も期待できる。
【高カカオチョコ+黒こしょう】
血管拡張、血行・代謝促進、抗酸化、抗炎症、食欲増進、殺菌、胃腸の働きを活性化させるなどの作用がある。辛味成分ピペリンにはリラックス効果も。
【高カカオチョコ+ジンジャー】
しょうがの血流を促進して体を温める効果はあまりにも有名。そのほか、血中コレステロールの制御、殺菌、抗酸化、食欲増進、健胃、去痰、感染症予防など。
【高カカオチョコ+シナモン】
甘くエキゾチックな香りのシナモンは、漢方の生薬(桂皮)としては万能薬ともいわれ重宝されている。主に感染症、関節炎、呼吸器疾患、健胃、利尿作用など。
【高カカオチョコ+ナツメグ】
世界4大スパイスのひとつで、ハンバーグなどのひき肉料理や焼き菓子に多用される。胃腸の働きを整える、口臭予防、疲労回復、鎮痛作用などがある。
【高カカオチョコ+カルダモン】
インドのチャイに使われるスパイスのひとつで胃腸薬の原料でもある。泌尿器系の病気や肥満改善にも。カフェインの作用を弱める働きもある。
【高カカオチョコ+パプリカ】
鮮やかな赤色にはカロテノイドが含まれており抗酸化作用がある。動脈硬化予防、糖尿病予防のほか、アンチエイジング効果やストレス解消効果も。
【高カカオチョコ+コリアンダー】
日本ではパクチーとしておなじみの香菜の種子。ハーブとして知られる葉の部分とは異なる香り。消化不良、健胃の働き、デトックス作用などがある。
特に栗原先生がおすすめするのは黒こしょう。
「こしょうには、ピぺリンという辛味成分が含まれています。ピペリンにはエンドルフィンの分泌を促す働きがあり、気持ちを落ち着かせるほか、殺菌作用や抗炎症作用、胃腸の働きを活発にする作用もあります」
ここ数年、コロナの影響によるストレスや自律神経の乱れで、過敏性腸症候群や機能性ディスペプシアなど、胃腸に異変が現れる人が増えているのだそう。そういう人ほど黒こしょうがおすすめだ。
「黒こしょうには血管を拡張させて血流をよくしてくれる作用があるほか、呼吸器機能をアップする作用などもありますから、降圧作用や整腸作用のある高カカオチョコとの組み合わせによる相乗効果も期待できます」
胃腸の働きが落ちてくると、体温も低下する。すると免疫調整力にも影響し、全体的にますます元気がなくなっていくそう。
「寒くなってなんだか元気がないな」という人もぜひ、チョコ+黒こしょうを試してほしい。食べ方はいたって簡単で、チョコレートの上に黒こしょうをパラパラとふりかけるだけ。最初はピリリとするが、口の中でゆっくりとチョコレートを溶かしていくうちに味わいが深まっていくのも楽しい。
「ジンジャー(しょうが)は、漢方の生薬としても有名です、去痰、殺菌、発汗・血行促進などの作用があります。私たちの食生活にもなじみが深い食材ですね。シナモンも桂皮という漢方の生薬として多用されます。古くから感染症、呼吸器疾患、炎症を抑える作用があるとされていて、こちらも飲料やデザートの味などでおなじみでしょう」
1日5回の高カカオチョコ+スパイスで健康も美も手に入れよう。