抜け毛やフケ、かゆみなど頭髪の悩みを抱える読者世代は多い。
特に夏場は、汗でベタつくので朝と夜など1日に何回も洗いたくなるが、「頭皮にトラブルを抱えている人は洗いすぎに気をつけましょう」と注意を促すのは、皮膚再生医療の専門医でセルバンク代表取締役の北條元治先生だ。
皮膚の表面は、層のように重なった角質細胞に覆われている。肌には新陳代謝の機能があり、汚れとあかは自然に落ちる。
「市販のシャンプー剤には、強力な洗浄力を持つ界面活性剤が入っていて、汚れやあかを落とすだけでなく、肌のバリア機能を担うセラミドを含む表面の角質も一緒に落としてしまいます。以前『フケが多くて困る』と受診に来た患者さんがいました。フケが出ないように1日3回髪を洗っていたというので、『とりあえずシャンプーをやめましょう』と伝えたらフケが出なくなったという話がありました。夏場、よく汗をかく時期はシャンプー剤を一切使わないというのではなく、使う量を少しずつ減らす“減シャン”をしてみましょう」(北條先生・以下同)
特に、中高年は角質層が薄くなって皮膚のバリア機能が低下してくるので、「夏場は朝と夜2回洗う」など、若いときと同じ習慣がついている人は見直してみよう。