「薄毛や抜け毛が気になるという女性は近年増加傾向にあります」
そう話すのは、クレアージュ エイジングケアクリニック総院長の浜中聡子先生。
女性の薄毛や抜け毛の種類はさまざまあり、その原因もストレス、ホルモンバランスの乱れ、頭皮トラブル、身体疾患、季節の変わり目など、多種多様だ。
夏から秋の切り替わりは抜け毛が増える悩ましい季節でもある。
「秋口に抜け毛が多い理由は、夏の間の強い紫外線によるダメージ、暑さによる体への蓄積された疲れが現れるタイミング、気温が下がり始める時季で女性ホルモンのバランスが崩れやすいなど、さまざまな原因が考えられます」(浜中先生・以下同)
平均的な人で毎日80~100本は抜け毛があるといわれているが、実は同じ程度のペースで新しい髪も育っている。ところが、ヘアサイクルが乱れて抜け毛のペースが新しい髪の生えるペースを上回ると薄毛になっていくのだという。
更年期世代の女性は女性ホルモンのバランスが崩れやすく、頭皮にも影響が出やすいが、秋口はそれが顕著に出やすい季節なのだ。
「さらに最近増えているのが、新型コロナウイルスが原因とみられる脱毛です。急激に体に負担がかかったことが要因だと思われますが、それだけ体がギリギリのところまで追い込まれたわけです。コロナに感染した後の抜け毛のお悩み相談は多いです」
そんな「薄毛・抜け毛」の悩みは誰にも相談できないことがいっぱい。そこで、「薄毛・抜け毛」にまつわるQ&A。浜中先生に話を聞きました。
【Q1】薄毛は遺伝するもの?
A:女性の場合は後天的な要素もあり、断定できません。
「母親や祖母もそうだったという相談者の方もいらっしゃいますし、遺伝の影響もゼロではありませんが、女性の場合は原因が複雑で、男性型脱毛症(AGA)のように、父親もAGAだったからといったわかりやすい薄毛ばかりではありません。薄毛の原因として、加齢によるホルモン低下によるもの、ストレス、強い紫外線、アトピー性皮膚炎のような免疫性疾患によるもの、精神的なもの、その他疾患や頭皮トラブルによるものなど、さまざまです」
【Q2】育毛剤・発毛剤は何を使えばいい?
A:ミノキシジルが入っているものが治療効果が高い薬剤です。
「育毛剤は頭皮環境を整えて今生えている髪を強くしますが、直接的に髪を生やす役割までは担っていません。発毛を促すためには、発毛剤を使って頭皮の奥にある毛母細胞に働きかけます。発毛成分として有効なのがミノキシジルです。市販の発毛剤にもミノキシジルが入っているものがありますが、女性の薄毛は要因が複合的な場合もあり、そうなると総合的に整える必要があります。そういう場合は早めにクリニックに相談するのがよいでしょう」