「炭酸水を飲むと、胃腸が刺激されて血管が広がり、血行が促進されて代謝がよくなることで、さまざまなアンチエイジング効果が期待できるんです」
そう話すのは、炭酸水を美容や生活に取り入れている“ドクター炭酸”こと、山本メディカルセンター院長の齋藤真理子先生。
「炭酸水は、二酸化炭素を水に溶かして圧縮したものです。炭酸水を飲むと、胃の毛細血管に二酸化炭素の分子が入り込み、血管拡張ホルモンである“プロスタグランジンE₂”が分泌され、血管が広がります。
それによって、一時的に血液中の二酸化炭素濃度が高くなると、より多くの酸素を取り込もうとするため、血液量が増加し、血の巡りがよくなるんです」(齋藤先生、以下同)
血液が全身をまわれば、体を構成するおよそ60兆個の細胞ひとつひとつに酸素と栄養がいきわたり、老廃物を回収して、細胞が活性化する。
「そのため代謝が上がり、ダイエット効果や腸内環境の改善、尿量が増えることによるむくみ改善、疲労回復などの効果があります。
それだけでなく肌トラブルの改善、肌のハリや髪のツヤが出るなど、アンチエイジングにもつながり、女性にうれしい効果もたくさんあるんです」
さらに注目したいのが、頭皮への影響だ。
「血行が促進されると、乳酸などの疲労物質の代謝が活発になるため、コリやすい頭皮が柔らかくなります。頭皮の毛細血管まで、酸素や栄養分が届きやすくなるため、毛が抜けにくくなり、白髪が作られにくい頭皮環境になるのです」
髪の毛は、黒色のもととなるメラニン色素を内部に取り込むことで黒くなる。
ところが、メラニン色素を作り出す色素細胞が加齢やストレスなどで衰えたり、何らかのダメージを受けると、メラニン色素を作り出すことができず、白髪になってしまう。
白髪となる原因はまだすべてが明らかになってはいないが、遺伝的要因や体質、ホルモンバランスのほか、ストレス、栄養、カラーやパーマによる頭皮へのダメージなどが複合的に絡み合っている。さらに血行不良など頭皮環境の悪化で、色素細胞の働きが弱まることがわかっている。
炭酸水で頭皮を洗い流すのも効果的なので、ぜひ、内側からも外側からも取り入れてみてほしい。